なぜうちの子は意見を言えないのか?3つの理由と親のサポート法

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オンラインや自宅での学習の期間中、間近でわが子の勉強の様子を見る機会が多く、「うちの子は大丈夫?」と不安になる親御さんが多くいるようです。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』には、「息子が自分の意見を言えない」との相談が届きました。著者の柳川由紀さんが、考えられる3つの理由とそれぞれに対応したサポート法を伝えます。

自分の意見を言える子どもになるには?

Question

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子どもが引っ込み思案です。オンライン学習をする中、先生から意見を求められても、ほかの子は自分の意見を言えるのに息子は言えません。

理解できていないのか、恥ずかしくて言えないのかよくわかりません。オンラインで言えないと、リアルではもっと言えないのではないかと心配です。(小1男子のお母様より)

柳川さんからの回答

引っ込み思案は、「慎重である」ことの裏返しです。そもそも小学校入学後、コロナウィルス感染関係で、通えていませんし、オンラインという環境に慣れていないこともあるでしょう。

まだまだこれからですから、焦らず心配せずに見守りましょう。自分の意見を言えない理由としては大きく3つあります。それぞれについて親としてのサポート法をお伝えします。

1.わからない

求められていることが何かわからない、または、質問の意図がわからない、という状況かもしれません。求められていることに十分な知識や情報を持ち合わせていないために「知らないからわからない」のです。

その場合は「わからないことを伝える」よう教え、練習しましょう。そして「わからないことは恥ずかしいことではない」、むしろ「わからないから知りたい」と思うことを素晴らしい、と認めてあげましょう。

2.言うこと自体が恥ずかしい

自分の意見をはっきり口にするのを恥ずかしいと感じるのは、大人にも多いでしょう。発言が「間違っている」と指摘されたり、「それは変だよ」などとクラスメイトからからかわれたりして経験があると、「発言する=からかわれる」、「発言する=嫌な思いをする」、「発言する=馬鹿にされる」などと学習してしまい、意見を言えなくなります。

こうした理由の場合は、日ごろから、「あなたはどう思う?」と積極的に聞きましょう。子どもが親と違う意見だったり、違うことを選択しても、その内容を否定せず、「そう思うのね、なるほど」とまずは認めて子どもを尊重しましょう。否定をせずに「そうなのね」と子どもの発言を認め、そのあとに「どうしてそう思うの?」と質問してみて下さい。

この会話のやり取りは、子どもを肯定しているため、子ども自身は、自分の自己肯定感を高めることに繋がり、しかも考える習慣をつけることになります。

3.自分の気持ちを言葉で表せない

自分の感情や意見は持っているのに、それをどう説明していいのかわからない、当てはまる言葉を見つけられない、ということがあります。大人でも「なんて言ったらいいのか…」というとき、ありますね。

きょうだいや友達同士では「マジ」「やばい」などの言葉だけで片づけてしまっていることも多いでしょう(最近の子どもたちは、語彙力が少ない傾向があるそうです)。

子どもが初めての感情に向き合うとき
「感動しているね」
「辛いね」
「心苦しいんだね」
「心地いいと感じてるね」
「感激してるのね」
などと、親が子どもの気持ちに当てはまる言葉を使って表現することで、子どもは感情と言葉をリンクさせ、表現方法を学びます(心理学では「感情の社会化」と呼びます)。

家庭教育アドバイス…「親が手本」

子どもの感情表現は、親がお手本になります。普段の生活の中で、気持ちを表現する言葉をたくさん使って家族と会話をしましょう。親自身が表現に自信がない時は、絵本や本を読むなどして、親も一緒に感情表現を学んでいきましょう。
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家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。子どもは、親のサポートの仕方でずいぶん変わります。子どもの能力を最大限に引き出せるよう、まずは親力をアップさせましょう。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。

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