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連日で昨年来高値更新も利食い売りなどで上値重い【クロージング】

9日の日経平均株価は3日続伸。117.43円高の29505.93円(出来高概算14億6918万株)と連日で昨年来高値を更新し取引を終えた。前日の米国市場では、追加経済対策の早期実現期待から買いが継続し、主要3株価指数がそろって過去最高値を更新した。こうした動きを好感して、投資マインドの改善は続き買い先行で始まると、一時197.25円高の29585.75円まで上昇。TOPIXは一時7.34pt高の1931.29まで値を上げ、ともに連日の昨年来高値更新となった。

東証1部の騰落銘柄は値下がり銘柄が1100を超え、全体の過半数を占めている。セクター別では、証券・商品先物業が2.48%と上昇したほか、鉱業が2.33%、情報通信業が1.43%上昇するなど、値上がり業種は14業種だった。一方で、その他金融業が2.84%下落したのをはじめ、その他製品が2.00%、ガラス・土石が1.33%下落するなど、19業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG、ファーストリテ、東エレク、ファナックが堅調。一方、バンナムHD、ダイキン、ソニー、中外薬が軟調だった。

8日の米国市場は、米景気の改善期待を映して、リスク選好気分が広がった。また、前日発表した決算で初めて3兆円の純利益を確保したソフトバンクGが約21年ぶりに1万円の大台を突破したことも個人投資家のセンチメント上向かせる要因になった。加えて、米国市場で半導体関連株が買われた影響で、東エレクやアドバンテスが上伸したほか、前日に英ダイアログ・セミコンの買収による財務負担増大が懸念され売られたルネサスは、世界的な半導体企業への転換が期待されたため反発したことなども好影響につながった。ただ、連日の急ピッチの上昇に対する警戒感などから当面の利益を確保する動きも強く、買いが一巡した後は、上値の重い展開をなっていた。

現在の株式市場は業績回復期待が相場を支えている。あす午後1時半に発表が予定されているトヨタの決算で市場予想を大きく上回る好調な結果とならなければ、いったんは材料出尽くし感から株価調整の引き金になる可能性もあり、トヨタの決算内容には引き続き注目が集まりそうだ。一方で、このところの急騰を受けて、レバレッジ型ETFの日々の調整に伴う株価指数先物への買い戻しの動きなども散見されそうで、利食いや戻り待ちの売りをこなしながら、底堅く推移するとの指摘も多く、見方が分かれているようだ。

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