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米金利動向を警戒しつつ、いったんは調整一巡感

 1日の日本株市場は、先週末の大幅下落に対する自律反発が意識されやすいだろう。2月26日の米国市場ではNYダウが469ドル安となる一方でナスダックは反発。長期金利上昇への警戒から売り優勢の相場展開となり、月末でヘッジファンドなどが損失確定のための持ち高解消に動いたなどとの憶測も重しとなった。ただし、米国債相場が行き過ぎ感などから反発し、金利が低下に転じたため足元で大きく下げていたアップルやマイクロソフトなどを中心にハイテク株が買い戻され、ナスダックはプラス圏で推移した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比35円高の29285円。円相場は1ドル106円50銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買い先行の展開になろう。先週末の日経平均は1200円を超える大幅下落となり29000円を割り込んでいる。1月末以来の25日線を割り込んでおり、いったんは自律反発が意識されやすいところである。足元では米長期金利の上昇が警戒視されており、上値追いは慎重になりやすく戻りの鈍さは想定されるものの、月末のリバランス需給は通過している。そのため1月末同様、25日線レベルからのリバウンドをみせてくるかが注目されそうである。

 一方で米長期金利の上昇基調が一段と強まるとの見方がされている。ワクチン接種が進むことによる経済活動の正常化への期待や1.9兆ドル規模の追加経済対策が3月中旬までに速やかに成立する可能性なども景気回復へ向かわせるとして金利先高観は強いだろう。金利は依然歴史的に低い水準で、実質金利はマイナス。回復期待に伴い、インフレや金利の上昇が予想されるが、その速さが問題となっており、上昇ピッチが強まる場面においては割高感が指摘されているハイテク株などへの利益確定の流れが強まる可能性はありそうだ。

 日経平均はリバウンドの鈍さが意識される場面においては、テクニカル面では75日線が位置する27500円辺りが下値のターゲットとみる向きが増えそうである。ただし、日銀は先週末の下落場面において2月に入り初めてETFを501億円買い入れた。金融緩和の点検公表まではETF購入は見送られるとの見方もあっただけに、心理的に売り込みづらくさせることになるだろう。

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