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新興市場見通し:なお金利睨みだが持ち直し期待も、IPOはココナラなど5社

今週の新興市場では、日経平均とともにマザーズ指数、日経ジャスダック平均も上昇した。米国では追加経済対策が成立する一方、長期金利の上昇が落ち着いてきたことで、NYダウは連日で過去最高値を更新。東京市場でもこうした流れが好感されたが、週末にかけて特にグロース(成長)株が買われたことから、新興成長株中心のマザーズにとって追い風となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+3.0%であったのに対して、マザーズ指数は+3.4%、日経ジャスダック平均は+1.9%だった。マザーズ指数は1200pt台を回復して週末の取引を終えている。

個別では、マザーズ時価総額上位のメルカリが週間で2.5%高、フリーが同1.1%高、JMDCが同2.3%高と堅調。売買代金上位ではQDレーザが週末にかけて大きくリバウンドしたほか、アンジェスやバルミューダが買われた。また、前の週末からリリースをきっかけに動意づいているsMedio、MBO(経営陣の参加する買収)実施を発表したイグニスなどが週間のマザーズ上昇率上位に顔を出した。一方、BASEは同0.7%安と伸び悩み。INCLUSIVEやcolyが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力はハーモニック・ドライブ・システムズが同0.9%高、日本マクドナルドHDが同0.2%安と全般もみ合いだったが、東映アニメーションは同10.8%高と大きく上昇。AI(人工知能)技術を用いたアニメ制作効率化の取り組みを発表している。売買代金上位ではシンバイオ製薬などが買われ、MBO実施を発表したニッパンレンタルが週間のジャスダック上昇率トップとなった。一方、新報国製鉄や室町ケミカルは前の週に買われた反動が、またアピリッツは初値高の反動がきつく、下落率上位に顔を出した。

来週の新興市場では、引き続き米長期金利や日米の主力グロース株の動向睨みの相場展開となりそうだ。今週末の米国市場では長期金利が再び1.6%台に上昇し、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は反落。こうした流れが続くようなら、新興成長株中心のマザーズも上値の重い展開を強いられるだろう。ただ、米追加経済対策の柱である個人向け現金給付が始まることで、米ハイテク株には個人マネーの再流入も期待できそうだ。

来週は、3月15日にGA technologies、セルソース、プレミアアンチエイジング、16日にcoly、ブシロード、17日にアピリッツ、サンバイオなどが決算発表を予定している。2月上場のcolyとアピリッツは初の決算発表。昨年上場のPアンチエイジは最初の決算が良好な滑り出しだったことから評価を高め、今回の業績動向も注目されそうだ。

IPO関連では、3月16日のヒューマンクリエイションHD及びウイングアーク1stを皮切りに来週5社が新規上場する。19日のココナラはスキルシェアサービスの有力スタートアップ企業として3月IPOのなかでも注目度が高い。18日のi-plugも新卒向け就職サイトで人気のようだ。なお、今週は紀文食品(4月13日、東証1部)、サイバートラスト(4月15日、マザーズ)の新規上場が発表されている。

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