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NYの視点:欧州経済、夏に向け回復に楽観的見方強まる

独連銀は4月月報の中で、新型コロナウイルス感染が収束せず、ロックダウンが長期化したほか、VAT(付加価値税)の引き上げなどが影響しドイツ経済が1-3月期に縮小するとの見通しを明らかにした。加えて、アストラゼネカ製ワクチンを巡る混乱で、ワクチン普及も遅れている。

今年の最初、半導体不足などが影響し特に自動車セクターの拡大が鈍く、鉱工業生産の拡大が一時、滞った。しかし、連銀は需要は強く、堅調な推移は継続すると見ている。インフレは下半期に上昇を予想。昨年緊急措置として一時的に引き下げられたVATを景気の回復に伴い、元の水準に引き上げるなどの基本効果により一時的に上昇すると見ている。

一方、英国では国民のほぼ2割が2回目のワクチンを受けたと報じられた。英国は12日から規制緩和を開始したが、回復が遅れるとの懸念が後退しつつある。また、米国も、ワクチン接種ペースの加速、追加財政策、大規模金融緩和が奏功し1-3月期で6.0%近くの強い成長が予想されている。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁も指摘しているとおり、欧州経済は回復で、英国や米国経済におくれをとっている。

ただ、ゴールドマンサックスは夏にかけ欧州でもワクチン接種ペースが加速し、新型コロナウイルスによる入院者数が減少し、回復が強まると見ており、ECBが債券購入を増やす可能性は低いと見ている。ECBは景気見通しを緩やかに引き上げる軌道にあるため、ドイツ連邦債30年物売却やユーロの買い持ちを推奨した。ECBは今週予定されている定例理事会で、金融政策を据え置く見通し。物価目標達成には程遠いとしていた声明やラガルド総裁が会見で、市場の強気の見方を覆すような、ハト派姿勢を示すかどうかに注目が集まる。

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