50歳で未婚の方は男性で約23%、女性で14%と、生涯独身で過ごす「おひとり様」が増えています(国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」より)。老後を賃貸・持ち家のどちらで過ごすのかは悩ましいところですが、最新版の住宅ローン減税では、単身者にもマイホーム購入のメリットが十分にあります。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
「おひとり様」でもマイホームを購入した方がいい?
生涯「おひとり様」という方も増えていますね。そういう方によく相談されるのは、マイホームを購入した方がいいのか?という問題です。
高齢者が賃貸住宅を借りる場合、連帯保証人が必要になります。保証会社でOKな大家さんもいますが、連帯保証人を求める大家さんもいます。
また、生涯賃貸となると65歳以降の年金受給額とも相談することになります。
最新版「住宅ローン減税」は単身者にもメリット
生涯「おひとり様」にとって、最新版の住宅ローン減税はメリットになります。
住宅ローン減税とは、住宅ローンを借りて、マイホームを購入・増改築などをする人は、確定申告によって12月31日の時点での住宅ローン残高の1%が所得税等から戻してもらえる制度です。
2021年度の改正では、次の2点が改善されました。
<(1)住宅ローン減税の控除期間が13年に延長>
消費税率引き上げがあった2019年に合わせて13年に延長されましたが、引き続き13年の優遇措置が継続されます。
<(2)床面積要件が40平米に緩和>
2020年までは、住宅の床面積の広さの要件は50平米以上でした。それが40平米以上も対象になったのです。
40平米とは、どのくらいの大きさなのでしょうか。一般的に1人暮らし向けの賃貸物件は20~25平米なので、1人暮らしとしては広いと思います。
ただし、13平米くらいは、水回りや通路が占めますので、実際に居住するスペースは27平米程度です。部屋は大きめの1LDKくらいです。
「おひとり様」にとっては少し広いですが、住宅ローン減税の対象となるのなら、モチベーションも上がるのではないでしょうか?
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減税効果を考えると「45歳まで」の購入がベスト
ただし、13年間減税が続くとなると、購入するタイミングが重要になります。
住宅ローンを15~20年組むと考えると、45歳くらいまでには購入したいところです。
毎月の支出から返済可能かどうか、資金計画を考える必要があるのは言うまでもありません。この点でも、住宅ローン減税の改正は、出ていくお金を抑えられるシングルの方には有利です。
また、おひとり様だけでなく、子どもが巣立った後に買い替えするのにも有利ですね。40平米だと、夫婦2人暮らしにも向いています。買い換えでも住宅ローン控除は適用されますので、大きな節税です。
我が家は、10年くらいで家を買い替えています。そろそろ、今の家も買い換えする予定でしたが、予想に反して長女が自宅から大学に通っているので買い換えの時期が伸びそうです。
生活と人生設計に合わせて、住居のことを考えたいですね。
『教育貧困にならないために』(2021年7月23日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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