債券・保険・仕組債券・投資信託などなど、初心者が聞いただけではよくわからない投資商品があります。うかつにも手を出したことで、必要のない手数料を取られたり、現金を引き出せずに大損しているという話もよくあります。今回は、素人が手を出すと痛い目にあう金融商品をお伝えします。(『花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』花輪陽子)
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外資系投資銀行を経てFPに。2015年からシンガポールに移住。ジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』(講談社+α新書)をインタビュー監修。『シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」「有吉ゼミ」などテレビ出演や講演経験も多数。
素人が勝てる確率は非常に少ない
初心者がうかつに買ってはいけない金融商品の1つとして、「仕組債」があります。
私は以前、外資系金融機関に勤めていました。そこでは仕組債を作り、国内の金融機関におろしていました。国内の金融機関はその仕組債を、一般投資家に販売します。営業担当者も商品設計をよく理解しないまま、販売している場合もよくあるようです。
仕組債とは、オプションやスワップなどのデリバティブを組みこんだ商品で、通常の債券とは違うキャッシュフローになります。
一定の条件のもと、通常の債券よりも金利が高いように見えます。営業担当者は、そこだけを説明する場合もあったようです。
しかし、仕組債を購入した側は、一般にオプションの売り手になるような立場です。
事故がなければ保険料(金利)をもらい続けることができますが、事故が起きれば、多額の保険料を支払わなければならない設計となっています。
仕組債を組成する側の外資系金融機関は、統計を熟知しており、手数料も含めて儲けが出るように設計しています。
そんな商品を買っても、素人が勝てる確率は非常に少ないと感じます。
金融機関は売った瞬間に儲かり、買った側は売却が難しい
この仕組債は富裕層や法人なども買っている場合も多いです。
さらに、一度買ってしまうと、すぐに売却をすることが難しくなります。一般に発行をした相手しか買い取らないからです。
つまり、金融機関側は売った瞬間に儲かり、買った側は償還するまで流動性を失うことになるのです。
なかなか危険な商品なので、ヨーロッパの人はあまり買わないようです。アジア人やアメリカ人で損をしたという話はちょくちょく聞きます。
仕組債も一見、手数料が無料のように見えるのですが、ものすごく分厚い手数料が内蔵されているので注意が必要です。
意外と外付け手数料の金融商品のほうが、それ以上は取られにくいので良心的な場合も多いです。