fbpx

「10倍株」のレーザーテック、ピークから大きく下げた今は買いか?急成長の要因と反動、今後の半導体業界での立ち位置とは=栫井駿介

一昨年と昨年の半導体銘柄ブームで、レーザーテック<6920>の株価は大きく上がりました。しかしここにきて、株価はピークを越えて大きく下がっている状況です。この状況に「どうしたらいいのか?」と悩んでいる投資家も少なくないと思います。果たしてレーザーテックは長期投資的な観点から「保有すべきか?」「いま買うべきか?」ということについて考えていきたいと思います。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

株価は急激に伸びたが…

まずレーザーテックの株価を見ていきましょう。

レーザーテック<6920> 週足(SBI証券提供)

レーザーテック<6920> 週足(SBI証券提供)

上図は、5年のチャートです。5年で見ますと1562%、倍率にして16倍ぐらいで上がっているという状況で、素晴らしいことには違いないわけです。

ところが2022年、今年の頭がピーク。3万5,000円ぐらいから下がりまして、今2万円くらいになっているわけです。

これは半導体全体について言えることなんですが、上がり方が急だった分、下がり方も急激というところになっています。

業績はここ数年で急伸

02.jpg

業績に関しては、この1990年からのチャートを見てください。
ずっと低空飛行といったら何なんですが、伸びているのは確かです。

しかし2020年・2021年・2022年になると、いよいよ大きく伸びてググっとあがってきている状況。
これだけ業績が伸びると株価も、先ほどのように大きく伸びるというわけです。

直近で半導体の需要がものすごく盛り上がりました。
それはコロナでデジタルが発達したことなどもありますし、長期的な観点で見てもちょうど、半導体市場が大きく変わるタイミングだったのだと思います。

それを受けて(株価が)上がったのですが、レーザーテックはその他の半導体関連企業と比べて、特筆すべきことがあるのです。

「レーザー」「半導体検査」に特化

03.jpg

レーザーテックがどんな会社かというと、光技術を用いた半導体検査に特化しています。
こういった半導体を作る工場に導入する、とにかく大きかったり、あるいは精密な機械を納入しているわけです。

昔から検査とか光技術に特化していて、顕微鏡みたいなところもやっていたりするのです。

1960年設立の老舗

04.jpg

こういった会社(レーザーテックなど)で株式投資を最近始めたという方も多いと思います。

結構ポッと出の企業のようにも見えるのですが、全然そんなことなくて、なんと1960年に設立された老舗の企業です。
元々こういった分野をやっていまして「検査」というところから、ひたすらその道を磨き続けてきた会社なのです。

特に注目すべきなのは、例えばフォトマスク欠陥検査装置を世界で初めて開発するなど、世界初を非常に重視している会社でもあるわけです。
技術の面で日本が誇る、代表的な企業と言っても過言ではないと思います。

とにかく半導体は小さくなってると言われています。
微細化と言って、どんどん1個あたりの大きさが小さくなってる。
「ナノメートル」という単位で行われているものなんですが、その小さいものを作るのに様々な企業が絡んでいる。

これが半導体製造の世界です。

Next: 半導体産業の全体像は?なぜ老舗レーザーテックの業績は急伸したのか

1 2 3 4 5
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー