fbpx

株価下落「ソニー」は買い?待ち?エンタメ企業に変貌した功罪を長期投資家はどう読むか=栫井駿介

現在、日本を代表する企業であるソニーグループ<6758>の株価が大きく下落しています。投資家の皆様の中には、「これは絶好の押し目買いのチャンスなのか」、それとも「さらなる下落の始まりなのか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。今回は、ソニーがなぜ今下がっているのかという短期的な要因から、中長期的にこのエンタメビジネスがどのような局面にあるのかまで、長期投資的な観点で徹底的に解説していきます。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

「エンタメ帝国」への第3段階の進化

皆様は、ソニーに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。

かつてはテレビやウォークマンのメーカーという印象が強かったかもしれませんが、現在のソニーはそこから劇的な進化を遂げています。
ソニーの歴史を振り返ると、今はまさに「第3段階」の進化の真っ只中にあります。

もはやテレビやPCといったハードウェアを主力として作る会社ではなく、利益の約6割をエンターテインメント関連で稼ぎ出す構造へとシフトしています。
ゲーム、音楽、映画。これらIP(知的財産)を核としたビジネスモデルこそが、現在のソニーの真の姿なのです。

IP関連銘柄に共通する「右肩下がり」の背景

足元の株価を日足チャートで確認すると、2024年8月頃から順調に値を上げ、一時は非常に強い動きを見せていました。

ソニーグループ<6758> 週足(SBI証券提供)

ソニーグループ<6758> 週足(SBI証券提供)

しかし、2025年11月頃をピークに、そこからはズルズルと右肩下がりの展開が続いています。

この下落はソニー単体だけの問題ではありません。

実はサンリオや任天堂といった、IPを武器にする他の有力銘柄も同様に右肩下がりの曲線を描いています。
かつて市場のテーマとして大きく買われた「IP系銘柄」全体から資金が抜けている、あるいは期待が剥落しているという側面があることは否定できません。
ただ、ソニーにはそれ以上に、個別事業の先行きに対する懸念と、中長期的なIPビジネスの持続性という2つの大きな問題が横たわっていると私は見ています。

増収増益と上方修正の裏側

第2四半期までの決算を振り返ると、見かけ上の業績は非常に好調です。

全体として増収増益を達成し、年度の業績見通しについても上方修正を行っています。

セグメント別で見ると、特に「音楽」や「イメージング&センシング・ソリューション」の伸びが目立ちます。

ここで興味深いのが、利益の構成比です。
音響やカメラなどの「製造・サービス部門」とセンサーなどの「半導体部門」を合わせた利益が約20億であるのに対し、ゲーム・音楽・映画の「エンタメ3部門」の合計利益は約25億に達しています。
この数字からも、ソニーが完全なるエンタメ企業へと変貌を遂げたことがお分かりいただけるでしょう。

Next: 『鬼滅の刃』ほかヒット作がもたらす巨大な利益。リスクは…?

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー