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衆院選後に伸びる銘柄はどれ?期待先行で終わるテーマと本当に成長する銘柄の見分け方=栫井駿介

2月8日に衆議院議員の解散総選挙が行われますが、そこで多くの個人投資家が気にかけているのが、高市政権が掲げる政権公約がどのように株式市場に跳ね返ってくるのかという点でしょう。今回は、高市政権の政策を多角的に振り返り、どのような影響が出るのかを私の視点で詳しく解説していきます。(参考:自民党 令和8年政策パンフレット

政治の動向は、時として特定の業界に強烈な追い風を吹かせますが、一方で「期待先行」で終わるものも少なくありません。その選別眼を養うためのヒントをお示ししたいと思います。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

生活者最大の関心事「消費税減税」の真相:なぜ市場は冷ややかなのか

まず、生活者の一人として最も気になるのは消費税の減税ではないでしょうか。

高市政権の公約では、飲食料品を2年間に限り消費税の対象としないことについて、国民会議において実現に向けた検討を加速するとしています。
しかし、厳しい見方をするならば、この「国民会議において検討を加速」という言い回しは、政治の世界では事実上「やらない」と言っているに等しい側面があります。

実際に株式市場の反応を見てみましょう。

このニュースが出た際、関連が深いとされるイオンの株価は一瞬ピクッと反応して上がりましたが、その後はズルズルと下がってしまいました。

イオン<8267> 日足(SBI証券提供)

イオン<8267> 日足(SBI証券提供)

セブン&アイ・ホールディングスや、ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスも、似たような「上がって下がる」という曲線を描いています。
これは市場が「実現性は低い」と見透かしている証拠です。

仮に食料品の消費税が減税されたとしても、企業の業績が劇的に上がるという話にはなりにくいと考えられます。
なぜなら、食料品は胃袋の大きさが決まっており、備蓄も難しいため、安くなったからといって消費量が倍増するわけではないからです。
あくまで景気の悪化を食い止める程度の効果に留まるというのが現実的な見方です。

「責任ある積極財政」の光と影:経済成長とインフレのジレンマ

高市政権の目玉政策として掲げられているのが「責任ある積極財政」です。
大胆な投資によって力強い経済成長を実現し、税収の増加を通じてさらなる投資を可能にするという好循環を目指しています。

ここで注目すべきは、近年のインフレによって名目GDPが向上し、それに伴って法人税、所得税、そして物価上昇が計算の元となる消費税の税収が増えているという事実です。
経済成長によって財政を立て直すという論理の中で、消費税を減税するという公約は、実は自らの税収基盤を壊すという矛盾を孕んでいます。
そのため、本気で減税を断行する意欲は低いのではないかという疑念が拭えません。

「責任ある」という言葉の裏には、無責任に財政を拡大させれば国家が破綻し、国債が買われなくなって金利が暴騰するというリスクへの警戒が滲んでいます。
現在の日本の予算の大部分が国債の利息や元本の返済に充てられているため、金利上昇は財政にとって致命的な圧迫要因となり得ます。

投資家が最も注視すべき「金利上昇」という爆弾

高市政権の発足後、如実に現れているのが10年国債利回りの上昇です。

1.6%程度だった利回りは一時期2.4%まで跳ね上がり、足元でも2.2%付近で推移しています。これは国債が買われにくくなっていることを示しており、財政を圧迫するという矛盾に直面しています。

株式投資家の目線で見れば、金利上昇で最も困るのは借金の多い業界、例えば不動産業界などです。

一方で、現在のインフレ率が3%程度ある状況では、経済学の常識として金利はインフレ率より高くあるべきだとされています。
そうでなければ、現金を貸して金利を受け取るよりも物を持っていた方が価値が増えるため、誰もお金を貸さなくなってしまうからです。

つまり、高市政権の意向とは関わらず、経済実態として金利は上がるべくして上がっているという側面があるのです。

Next: 上がるのはどのセクター?長期投資のプロの見立ては…

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