現代は、貧困が増えれば増えるほど「飢える」のではなく、「炭水化物漬け」になっていき、結果的に糖尿病を引き寄せる時代になっているのだ。認識を改めなければならない。「貧困=栄養失調」ではなく「貧困=糖尿病」なのである。
全日本民主医療機関連合会は、全国の医療機関96施設で40歳以下の「2型糖尿病患者」の実態調査をした結果として、患者世帯の年収分布から年収200万円未満が57.4%を占めていると報告している。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)
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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。
健康にまで格差が現れた日本、もはや糖尿病は貧困層の持病に
誰でも炭水化物は好きだが……
誰でも炭水化物は好きだ。セレブもアメリカ大統領も炭水化物漬けだ。炭水化物は「うまい」のだ。
しかし、富裕層は肉や魚や野菜をたっぷりと取る余地があり、さらに健康に気を使ったり高額な医療にかかることもできる。炭水化物まみれであっても、きちんと他の栄養素が取れていて健康のアドバイスが受けられる。
しかし、貧困層はそうではない。
厚生労働省の調査では、所得が低い層であればあるほど米やパンなどの炭水化物を主体とした食事になり、野菜や肉類をとらなくなっていくという結果を出している。
その理由は明白だ。炭水化物は安いからだ。
たとえば、低所得層の多くはインスタントラーメンを好んで食べるのだが、その麺はもちろん炭水化物でできている。カロリーは意外に高いのだが、1袋100円以下で買えるのでかなり安い。
食べにいくとどんな安い食事でも300円以上になるし、まともなレストランで食べると1,000円以上するのは当たり前だ。もし金がなければ、1,000円も出して1食しか食べられないのであれば、インスタントラーメンで10回くらい食べた方が断然お得だと思う。
炭水化物まみれの食品
インスタントラーメンが主体であったとしても、そこに野菜や肉をたっぷりと合わせればいいのだが、どちらも高いので、節約するのであれば素のままのインスタントラーメンを食べるのが一番安い。
すると、必然的に炭水化物を主体とした食事になっていき、野菜も肉類も食べていないので栄養が極度に偏っていく。
コンビニで売られている弁当も炭水化物の塊であり、菓子パンに至っては炭水化物と糖分がびっしりと混ぜられている。300円台で食べられる各種ジャンクフードも、やはり炭水化物主体である。
低所得者はでっぷりと太っている
アメリカやメキシコでも低所得層がでっぷりと太っているのは、炭水化物の塊であるピザやタコスが安く大量に買えるからだ。そのため、アメリカでは今やピザが国民食と言えるほど食べられている。
炭水化物に砂糖をまぶしたスナック菓子も安く、炭水化物に脂肪をたっぷりまぶしたジャンクフードも安い。そこに砂糖まみれの炭酸飲料をガブ飲みしている。
そうすれば、安くて確実に腹が膨れる。だから、炭水化物食ばかりを低所得層が食べるようになり、どんどん太っていく。