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中東危機で日経平均はどこまで下がる?過去の紛争から読み解く絶好の「買い場」と投資戦略=石塚由奈

2026年2月28日、アメリカはイスラエルとともに、イランに対する軍事作戦を開始。翌1日にはイランの最高指導者・ハメネイ氏の死亡が伝わりました。当初はハメネイ氏の死去までのスピード感のある展開から、紛争は早期に終結するとの楽観的な見方が多かったものの、ここにきて長期化の可能性が意識され始めています。トランプ米大統領は「要する時間はいとわない。必要ならいくらでもやる」などと発言。当初見込んでいた4~5週間よりも「はるかに長い時間」攻撃を続ける可能性を示唆しました。これを受けて、金融市場は、戦争の長期化を織り込む展開となっています。

そこで、本記事では日本株投資家に向けて、日経平均株価はどこまで下がる余地があるのか、現状をまとめて今後の下値目処や下げ止まりのタイミングを考えていきたいと思います。

プロフィール:石塚 由奈(いしづか ゆうな)
日本投資機構株式会社 経済メディア「インベストリーダーズ」編集、証券アナリスト(CMA)、テクニカルアナリスト(CMTA®)。国内株式、海外株式、外国為替の領域で経験豊富なアナリスト・ファンドマネージャーのもと、金融市場の基礎・特徴、マクロ経済の捉え方、個別株式の分析、チャート分析、流動性分析などを学びながら、日本投資機構株式会社では唯一の女性アナリストとして登録。自身が専任するLINE公式など各コンテンツに累計7,000名以上が参加。X(@yuna_investment)のフォロワー数も3万人を超える人気アナリスト。

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ホルムズ海峡の状況と原油価格が下げ止まりの鍵

米国とイスラエルによる攻撃を受けて、イラン側はホルムズ海峡を封鎖したと明らかにしています。世界の石油消費量のうち約5分の1がこのホルムズ海峡を通って運ばれており、封鎖によって、世界的に資源価格が長期的に上昇するとの見方が浮上。株売りを加速させる要因となっています。

海峡を長期間封鎖してしまうと、イランも経済的に困窮するため、長期間完全に封鎖するのは不可能だとみられますが、それでも原油供給が絞られれば、経済には悪影響を及ぼします。

エネルギー価格が上昇すれば、企業のコストが増加し、電気代やガソリン代の高騰によって消費が減速する可能性が警戒されます。しかし、エネルギー価格の高騰でインフレも同時に進めば、FRBは利下げに動けず、株式市場にとってはもっともネガティブなスタグフレーション型の不況が発生する可能性が警戒されます。

このシナリオを織り込んで株価は下落しているとみられ、どこで織り込みが一巡するのかが、今後の鍵となります。

主要指数の値動きを確認

こうした情勢悪化を受けて2026年3月3日現在の金融市場がどのような反応を見せているのか、現状を確認していきましょう。

<日経平均先物は自民党の大勝を織り込む前の水準に>

▼日経平均先物は、3月3日の取引終了後にも下値を模索する動きとなっています(※編注:原稿執筆時点:2026年3月3日)。

日経平均先物 日足(SBI証券提供)

日経平均先物 日足(SBI証券提供)

しかし、それでも指数は75日移動平均線を上回っている点は注目に値します。

日経平均先物は高市政権による衆議院総選挙での大勝を織り込む形で急騰する前の水準まで戻した形になっており、この辺りは1つの節目として意識されやすいと考えられます。

指数が75日移動平均線を上回って、上昇トレンドを維持していますので、比較的反発には期待できる状況です。

一方、米国株価指数を見ると景色が変わってきます。

▼ナスダック総合指数は75日移動平均線と25日移動平均線がデッドクロスを形成しており、2万3,200ポイント近辺での戻り待ちの売りが重い形になっています。

NASDAQ 日足(SBI証券提供)

NASDAQ 日足(SBI証券提供)

▼S&P500指数は、3月2日の取引で75日移動平均線を上回って引けているものの、やはり高値を更新できないやや弱い形となっています。

S&P500 日足(SBI証券提供)

S&P500 日足(SBI証券提供)

これは、AIへの熱狂が少しずつ鳴りを潜めていたからだとみられます。

2026年2月初旬には米アンソロピックがClaudeの新機能を発表し、SaaS企業を中心に事業環境の悪化を警戒した売りが波及。

ハイスピードでのAI機能の進化がこれでいったんのピークに達した感もあり、大手テック株については、競争激化が一層警戒されていました。

▼また、米国とイスラエルがイランに攻撃を開始する少し前には、エヌビディアの決算発表がありましたが、好決算を発表したのにも関わらず、株価上昇が止まってしまっていました。

NVIDIA CORP<NVDA> 日足(SBI証券提供)

NVIDIA CORP<NVDA> 日足(SBI証券提供)

現在は、これまで景気懸念や地政学リスクが浮上しても強い値動きを継続してきた大手ハイテク株の上昇が止まったタイミングと言え、市場へのショックが大きくなりやすかったと考えられます。

原油価格は昨年の高値を上回るか

株式投資家として特に気にするべきは原油価格の動きです。原油価格が上昇しているかどうかが、経済への影響をはかるバロメーターとなるほか、原油先物の売買を行っている投資家は、株式投資家以上に、地政学リスクを注視しているからです。

WTI原油先物 日足(SBI証券提供)

WTI原油先物 日足(SBI証券提供)

現在、原油価格は昨年の高値近辺まで上昇しており、同価格帯を突破すると短期的には一段と混乱が広がる可能性があります。

Next: 過去の紛争勃発時、日経平均はどれくらい下がった?今後の展望

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