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4月開始「独身税」は本当に増税ではないのか?子ども・子育て支援金の仕組みと不公平感の正体=原彰宏

4月から始まる「子ども・子育て支援金制度」が、SNSでは「独身税」として拡散されています。しかし実態は、独身者だけに課される新たな税金ではなく、医療保険料に上乗せして広く国民から徴収される社会保険料です。少子化対策の財源確保という目的がある一方で、「実質的な増税ではないか」「負担が不公平ではないか」といった批判も根強く見られます。現役世代の手取り減少が避けられない中、この制度の仕組みと論点を整理します。『 らぽーる・マガジン らぽーる・マガジン 』原彰宏)

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※本記事は、『らぽーる・マガジン』 2026年3月16日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はこの機会に今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

いよいよ「独身税」が始まる!?

4月から「独身税」が始まる……SNSでこんな書き込みが目立つようになりました。

実際には、独身者だけに課せられる税金ではありません。独身者に新たな税金が課されるわけではありません。

少子化対策の財源にあてる「子ども・子育て支援金」の徴収が始まるということです。

この制度による徴収は「税金」ではなく、公的医療保険(健康保険)に上乗せして徴収される「社会保険料」として徴収します。

加入する医療保険や所得によって異なり、2026年度は0.23%の支援金率から始まり、3年間で段階的に引き上げられます。

2028年度以降は、全世代平均で月額450円~1,000円程度(健保組合・協会けんぽ等の状況により異なる)となる見込みで、 事業主と従業員で折半して負担(会社員の場合)します。

「子ども・子育て支援金(いわゆる「独身税」)」は「児童手当の拡充」や「妊婦のための支援給付」などの取組の財源として活用されます。

政府は「全世代・全経済主体が支え合う仕組み」と説明していますが、医療保険(健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療など)に上乗せして徴収する方式は、「増税」という批判を避けるための“苦肉の策”との指摘もあります。

正しくは「子ども・子育て支援金制度」のこと

この「独身税」という言葉は正式な名称ではなく、正しくは「子ども・子育て支援金制度」を指します。

この制度は、少子化対策の財源を確保するために創設され、子どもの有無にかかわらず多くの国民が負担する仕組みです。

たとえば年収600万円の会社員の場合、医療保険料とともに毎月600円弱を支払います。

子どもがいない人や子育てを終えた高齢者も徴収対象となる一方、児童手当などを受け取るのは子育て世帯だけということで、「不公平だ」と批判する投稿も多くみられています。

独身者に限らず、多くの人にとって実質的に手取りが減り、経済的負担が増加します。

「増税メガネ」の批判を避けるために、岸田文雄総理(法案成立当時)が、税金でなく社会保険料の名目で徴収する方法を提案しました。

「国にとって非常に取りやすいやり方だ…」「テクニカルでズルい…」との批判が相次いでいるようです。

必要なのはわかるけど、やり方がズルい?

根本的な少子化の原因とされる未婚・晩婚化に対策を講じないまま、負担だけを国民に求めているとの批判があります。

一方で、本来子育て支援は全国民で担うべき課題であるなら、正面から説明したうえで「税金」として徴収すべきだという意見もあります。

社会保険料に上乗せする手法は、国民の「増税」に対する抵抗感を弱めるためのものであり、不誠実だとの指摘も出ています。

子どもを産んだ人が将来的に納める税金やGDPへの貢献度を考えれば、他にあるはずの財源を活用せずに、いま苦しんでいる層に負担を強いることへの批判もあります。

立法事実はわかりますが、法の建付けに“悪意”を感じます。

Next: 4月からまた負担増…生活を守る術はあるか?

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