東京五輪開幕で、次々と金メダルを取る選手たち。国民の反対を押し切って強硬開催した政権を批判する者も少数派となってきました。現在は五輪の影に隠れていますが、2~3ヶ月後には総選挙が行われます。五輪での風向きの変化を踏まえると、秋までに3つの政局が予想されます。(『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』澤田聖陽)
投資に勝つにはまず第一に情報分析。「投資に勝つ」という視点から日常のニュースをどのように読むべきかを、この記事の著者で、元証券会社社長で現在も投資の現場の最前線にいる澤田聖陽氏が解説します。視聴方法はこちらから。
※本記事は有料メルマガ『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』2021年7月28日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
「オリンピック開催=感染爆発」というプロパガンダ
東京オリンピックが開幕しました。
柔道の阿部兄弟と高藤選手、水泳では大橋選手、スケートボードの堀米選手とスタートして3日で金メダルが5個(その他に柔道の渡名喜選手の銀メダル)と順調なスタートを切ったのではないでしょうか?(※編注:原稿執筆時点2021年7月27日)
オリンピックについては、開催まで本当にいろいろなことがありました。
そもそもオリンピックを開催すべきかどうかという点について、世論も大きく割れており、政治の政界でも野党は(一部の野党を除いて)オリンピック開催反対という立場でした(そして開催後も中止すべきだと、引き続き反対しています)。
また大会組織委員会の森喜朗会長の辞任、開会式での小山田氏などの一連の人選の問題など、呪われたかの如く問題が噴出しました。
コロナの感染が拡がっているという環境下で「オリンピック開催=感染爆発」というマスコミや野党の分かりやすいプロパガンダに反応してしまう人が多かったのは事実で、マスコミの世論調査でも、開幕前はどちらかといえば反対という人が多いという調査結果が出ていました。
またオリンピックとは関係ありませんが、西村経済産業相の「酒類の提供停止の要請に応じない飲食店に対し、金融機関から順守を働きかける」という発言も、大きな世論の批判を浴びました。
逆風が吹き荒れる自民党、それでも打倒できぬ野党
このような一連の流れは、政権与党である自民党には大きな逆風となりました。
最新の世論調査によると、菅内閣の支持率は33%、不支持は46%となっています(NHK月実施世論調査)。
時事通信の世論調査(7月9日~7月12日調査実施)では支持率が29.3%で、不支持率が49.8%となっており、支持率が遂に3割を割ってしまったという結果が出ています。
しかしながら野党に追い風が吹いているかというと、そうでもありません。
野党第一党の立憲民主党の支持率は6.0%に過ぎません(自民党は34.9%。ともに7月12日更新のNHKによる世論調査)。
民主党政権が発足した2009年9月とその直前の8月の民主党、自民党の政党支持率は以下のとおりでした(いずれもNHK調査)。
2009年8月:民主党 29.0%/自民党 26.6%
2009年9月:民主党 34.6%/自民党 23.0%
今の自民党にはウンザリしているという人は多いものの、支持率から見れば2009年当時の自民党を下野させて政権交代を望むような大きな声はほとんどないと言ってよいかと思います。