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ヤフー・LINE経営統合後の初決算で見えた3つの変革。Zホールディングスの成長は続くか?PayPayのマネタイズ戦略とスーパーアプリ構想=シバタナオキ

大きな注目を集めたヤフーとLINEの経営統合後、初となるZホールディングスの決算が発表されました。経営統合による効果はどの程度か?今後の成長ポイントと合わせて解説します。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

(筆者注:この記事は沼幹太さんとの共同制作です。)

※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2021年9月7日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

Q. ヤフーとLINEが連結されると何が起こる?覚えておくべき3つのポイント

<ヒント>

・変化#1: メディア事業はYoY +●%の成長ペースへ
・変化#2: コマース事業は連結による●●●●●●
・変化#3: Fintech事業はYoY +●%を想定、EBITDA●億円を目指す

大きな話題を呼んだヤフーとLINEの統合発表から約2年弱。

2021年3月1日に経営統合を完了し、2021年第1四半期(2021年4月-6月、以下Q1)の決算は、両社の統合会社であるZホールディングスにとって、ヤフーとLINEが連結された初の決算となりました。

日本発スーパーアプリの誕生など、様々な期待が寄せられる今回の経営統合ですが、今四半期の決算にはどのような影響が出ているのでしょうか。

また、今後の決算にどのような影響があるのでしょうか。

本記事の前半では、Zホールディングスの2021年Q1決算の概要を理解し、記事の後半では、今期から新しく区分された3つのセグメントが経営統合によってどのような変化があったのか、今後どのような変化があるのかを考察したうえで、覚えておくべき3つのポイントを詳しく解説していきます。

ヤフーとLINEの合併後、初めてのZホールディングス連結決算

まずは、Zホールディングスの今四半期の連結業績を見ていきましょう。

売上収益:3,733億円(YoY+36.3%)
EBITDA:863億円(YoY+11.2%)
EBITDAマージン:23%

まず注目すべきは売上成長率です。近年のヤフーの売上成長率はYoY+15%前後で推移していましたが、今回の統合を機に、YoY +36.3%にまで急成長しました。

LINEとの統合による純増分の成長に加え、今期はコロナ禍で落ち込んでいた広告需要の回復などにより、ヤフー広告事業がYoY+14.5%、LINE広告事業がYoY+34.1%と伸びたこと、アスクル・ZOZOを含むコマース売上の伸びも急成長の要因となっています。

EBITDAは、LINE Payへの投資の影響により収益率が下がっていたため、売上ほどは増加していません。EBITDAマージンも全体で23%と、前年の28.3%と比較して低い結果が出ています。

Next: 合併後の新セグメント「メディア(広告)・コマース・戦略」に注目

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