fbpx

本当は怖い「推し活」。浪費をやめられないカルトに似た構図があることに気づけ=鈴木傾城

「推し活借金」「推し活破産」という言葉も出てきている。「推し」のファンであるために、推しへの熱狂的な応援が求められ、他のファンに負けないために大金を使うことが強いられるようになる。過度な「推し活」は、ある意味カルトに似た構図があるように見える。(『 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 』鈴木傾城)

【関連】インドの急成長を日本人はまだ知らない。投資家は未来の「デジタル超大国」に賭けたほうが確実性が高いと言える理由=鈴木傾城

プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

とにかく消費をひたすら促進させる社会

現在は資本主義であり、資本主義はとにかく消費をひたすら促進させる社会でもある。そのため、人々は気がつかないうちに無駄な出費を強いられる。たとえば、企業は個人の無駄買いを促すために、セールやディスカウントを頻繁に行う。

テレビも見ても、インターネットを見ても、いまや広告まみれである。世界でもっとも人々に広告を届けるのがうまいのがGoogleとMetaとAmazonで、これらの企業は凄まじい時価総額を誇るまでになった。

消費社会ともなると、人々はブランドや高級品に惹かれ、必要以上に高価な商品を買う。あるいは、外食や高価なレストランでの食事を頻繁に行う。あるいは無駄なゲーム課金や高額な趣味具への支出をするようにある。

あるいは、予算を度外視した贅沢な旅行や急な海外旅行をする。高額な健康サプリメントや無駄な健康法に走る人もいる。

最近、マスコミが煽っているのが「推し活」というものなのだが、これは何かというと、対象となるアイドルやキャラクターのグッズやイベントへの参加を通して、無駄金を使わせるものだった。

推しの対象は、どこかのアイドルグループだったり、セレブだったり、著名人だったりするだけでなく、地下アイドルだったり、ホストクラブやコンカフェのホストだったり、いろいろだ。

別にお目当ての「推し」がいてもいいとは思うが、悪質な「推し」は自分に近寄ってくる人間から、ありったけ金を吸いあげ、奪い取るのが目的となっていることもあり、そこに金を投じるのは、まさに「無駄な消費」となる。

歓楽街ではホストクラブのホストを「推し」にして、風俗や売春に蹴り落とされた女性も大勢いるが、無駄な消費をしたあげくに社会の裏側に落とされて人生がめちゃくちゃになるのだから、これは無駄な「推し」の最悪のケースではないか。

貧しくなればなるほど浪費が過激になっていく?

「推し活借金」「推し活破産」という言葉も出てきている。「推し」のファンであるために、推しへの熱狂的な応援が求められ、他のファンに負けないために大金を使うことが強いられるようになる。

アイドルのイベントやグッズ販売において、数量限定のアイテムや特典が用意されることがあるのだが、こうしたものをとにかく大量に買うのがファンの「義務」のようになっていたり、それを買うように煽られたりする。

握手会への参加、誕生日パーティーの参加、各種イベントの参加、ファンクラブの参加もそれぞれ費用がかかる。「推し」に熱狂すればするほど、自分の経済状況を度外視した活動になり、そして生活破綻に向かう。

しかし、こうした活動が「推し活」と呼ばれて、さも浪費するのが当たり前のようにマスコミもファンも煽ったりするので、浪費がとまらない。

Next: 「推し活」は新しいカルト?浪費し続ける生活は長く続かない

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー