2026年2月11日、電線関連企業の第3四半期決算が出揃いました。いわゆる「電線御三家」に数えられる住友電気工業<5802>、フジクラ<5803>、古河電気工業<5801>の3社は、決算発表と同時に業績予想の上方修正も発表するなど、その勢いはまさに絶好調と言えます。その最大の要因として語られるのが、生成AIの普及に伴うデータセンター関連需要の高まりです。
しかし、個人投資家の皆様がこれから投資先を検討する、あるいはすでに保有している銘柄の行く末を見極めるのであれば、「AIデータセンター向け」という言葉だけで満足してはいけません。なぜなら、電線メーカーが取り扱う製品は多岐にわたり、光ファイバー以外の電線が業績を左右するケースも多々あるからです。
今回は日本が世界に誇る電線大手各社の利益構造を深掘りし、足元の株価水準が妥当なのか、今から買っても大丈夫なのかを詳しく解説していきます。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』元村浩之)
プロフィール:元村 浩之(もとむら ひろゆき)
つばめ投資顧問アナリスト。1982年、長崎県生まれ。県立宗像高校、長崎大学工学部卒業。大手スポーツ小売企業入社後、店舗運営業務に従事する傍ら、ビジネスブレークスルー(BBT)大学・大学院にて企業分析スキルを習得。2022年につばめ投資顧問に入社。長期投資を通じて顧客の幸せに資するべく、経済動向、個別銘柄分析、運営サポート業務を行っている。
主要4社の株価推移とバリュエーションの現状
まずは各社の足元の株価とバリュエーションを確認しておきましょう。
フジクラは2024年以降、急速な上昇気流に乗っています。

フジクラ<5803> 週足(SBI証券提供)
株価は2万3,000円という高値圏にあり、PER(株価収益率)は42倍、PBR(株価純資産倍率)は12.5倍にまで達しています。
今回の決算でも営業利益ベースで約10%の上方修正を行っており、市場の期待を一身に背負っています。
住友電気工業も同様に、2024年以降株価が急上昇しています。

住友電気工業<5802> 週足(SBI証券提供)
足元では9,000円の大台に迫る勢いを見せており、PERは21倍、PBRは2.7倍です。
同社も営業利益で10%弱の上方修正を発表しています。
フジクラに比べると、事業が多岐にわたるためバリュエーションはやや落ち着いて見えますが、それでも歴史的な高水準にあります。
古河電気工業は、これまでは上昇が緩やかでしたが、2026年に入ってから一気に火がつきました。

古河電気工業<5801> 週足(SBI証券提供)
2月10日にはストップ高を記録しており、PERは28倍、PBRは4倍となっています。
上方修正幅は5%強と他の2社に比べれば控えめですが、V字回復の兆しが強く意識されています。
最後にSWCC(旧・昭和電線ホールディングス)です。

SWCC<5805> 週足(SBI証券提供)
こちらも上昇傾向にあり、今回の決算での上方修正発表はなかったものの、PER 25.6倍、PBR 4.5倍と、企業価値を着実に高めています。