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GW明け、日本株は買いか売りか?セルインメイは2026年も有効?過去56年の統計で見えた“勝ちパターン”=大畠典仁

ゴールデンウィーク明けの株式市場は「下がりやすい」と言われることがあります。長期休暇中の海外市場の影響や投資家心理の変化が重なり、それが一気に市場に反映されるからです。しかし、本当に下がる傾向はあるのでしょうか?

そこで実際の傾向を確かめるために、1970年以降56年分の日経平均データを用いた実証分析を行いました。本記事では、その結果を踏まえたゴールデンウィーク明け相場の特徴を整理しながら、初心者でも活用できる投資戦略を解説します。(『勝ち株ガイド | Invest Leaders公式メルマガ』大畠典仁)

プロフィール:大畠 典仁
日本投資機構株式会社 アナリスト、経済メディア『インベストリーダーズ』執筆。準大手の証券会社にて資産運用のアドバイザーを務めた後、日本株主力の投資顧問会社の支店長となる。現在は日本投資機構株式会社の筆頭アナリストとして多くの顧客に株式投資の助言を行いつつ、YouTubeチャンネル(@kabushiki)にも積極的に出演しており、資産運用の重要さを発信している。

GW明けは外部要因が一気に織り込まれる

ゴールデンウィーク期間中、日本の株式市場は長期休場となりますが、その間も米国市場や為替市場は通常通り取引が続きます。海外では通常通り、金融政策や経済指標、企業決算などの材料が次々と発表されるため、資金の流れや市場の評価は休まずに変化します。

通常の相場では材料は日々分散して織り込まれます。しかし、ゴールデンウィーク明けは連休中に蓄積された情報が一斉に反映され、ギャップアップやギャップダウンが発生しやすい傾向があります。

<金利や為替の変動が株価に与える影響>

特に、ゴールデンウィーク期間中にFOMC(米連邦公開市場委員会)や米雇用統計などの重要イベントを予定している場合、金利見通しや景気判断が変化する可能性が高まります。

米金利が上昇すれば、ドル高・円安が進み、輸出関連株には追い風となる場合があります。一方で、インフレ懸念で消費関連株が弱含んだり、金利高の悪影響への警戒感から成長株が下落する場合も。

反対に、金融政策の見通しの変化から、米金利が低下すれば成長株が買われやすくなります。しかし、米雇用統計が弱く、景気減速懸念が強まって米金利が低下した場合、リスク回避の売りが広がる可能性もあります。

GW明け初日騰落率を過去56年のデータで検証

では、ゴールデンウィーク明けの日経平均はどう動くケースが多いのか、実際の傾向を見ていきましょう。

本分析では、ゴールデンウィーク前の終値とゴールデンウィーク後の始値を比較しました。ゴールデンウィーク中の海外動向が翌朝の寄り付きにどう反映されたのか、純粋なギャップを1970年から2024年まで56年分にわたって検証しています。

具体的には、ゴールデンウィーク前の基準値として4月28日(昭和の日の前日)以前の最終取引日の終値を使用。ゴールデンウィーク後の測定値には5月6日(こどもの日の翌日)以降で東京証券取引所が最初に開いた日の始値を用いています。

<GW明けの騰落統計まとめ>

▼過去56年間において、ゴールデンウィーク明けの日経平均株価が上昇もしくは下落した回数と平均騰落率・中央値は以下の通りです。

指標 数値
集計期間 1970〜2025年(56年間)
上昇回数(勝率) 37回(66.1%)
下落回数(敗率) 19回(33.9%)
平均騰落率 +0.71%
中央値 +0.80%
標準偏差 ±2.21%
最大上昇 +7.17%(2009年)
最大下落 -5.36%(1970年)

56年間を通じての上昇確率は66.1%、平均騰落率は+0.71%とプラス優位です。

▼1970年から2025年までの56年について、ゴールデンウィーク明けの騰落率を年ごとにまとめたグラフは以下のようになっています。

日経平均株価 ゴールデンウィーク明け初日騰落率(始値ベース)1970〜2025年。青=上昇、赤=下落

日経平均株価 ゴールデンウィーク明け初日騰落率(始値ベース)1970〜2025年。青=上昇、赤=下落

2010年以降 直近16年のGW明けデータ

歴史的に、ゴールデンウィーク明けの相場は上昇するケースの方が多かったことが、ここまでの分析で分かりました。

▼しかし、2010年から2025年の直近16年間に絞って分析すると、上昇は8回(50%)、平均騰落率は-0.21%と、56年間の全体平均(+0.71%)を大幅に下回ります

期間 年数 上昇回数(勝率) 平均騰落率
2010〜2014年 5年 3回(60%) -0.70%
2015〜2019年 5年 2回(40%) -0.74%
2020〜2025年 6年 3回(50%) +0.63%
2010〜2025年 合計 16年 8回(50%) -0.21%
※日経平均株価がゴールデンウィーク明けに上昇した回数(2010年~2025年)

リーマンショック後の時代は欧州債務危機・中国減速・コロナ・急速な利上げなど逆風が多く、ゴールデンウィーク明けの初動の弱さにつながったと考えられます。

▼2010年以降の各年について、ゴールデンウィーク明け初日・3営業日後・5営業日後・10営業日後の累積騰落率(始値ベース)と相場の状況を以下にまとめました。

相場の状況 初日 3日後 5日後 10日後
2010年 欧州債務危機(ギリシャ) -0.70% -4.81% -4.21% -7.67%
2011年 東日本大震災後・円高 +0.01% -0.46% -0.80% -1.41%
2012年 欧州危機継続・政権交代前夜 -3.39% -4.29% -5.27% -8.33%
2013年 アベノミクス・黒田日銀スタート +0.55% +3.48% +6.30% +9.91%
2014年 消費増税(4月) +0.06% -1.30% +0.56% -1.40%
2015年 中国株バブル崩壊懸念 -3.50% -2.10% -2.44% +0.58%
2016年 熊本地震・英国EU離脱懸念 -2.72% -2.15% -1.24% +0.85%
2017年 トランプ相場・北朝鮮リスク +2.67% +3.61% +3.88% +2.06%
2018年 米中貿易戦争勃発 +0.20% -0.02% +0.47% +1.96%
2019年 令和改元・米中摩擦 -0.33% -3.44% -4.84% -4.28%
2020年 コロナショック後(大規模緩和) -1.53% +2.85% +1.87% +3.46%
2021年 緊急事態宣言継続 -0.10% +1.11% -1.18% -3.52%
2022年 FRB急速利上げ・ウクライナ侵攻 -0.24% -2.60% -3.36% -1.54%
2023年 バフェット日本株買い増し +0.83% +1.15% +1.19% +6.90%
2024年 日銀利上げ局面・円安 +1.85% +0.81% +0.73% +2.18%
2025年 トランプ関税ショック後の回復 +2.97% +4.16% +6.44% +5.26%
※日経平均株価のゴールデンウィーク明け10日後までの騰落率(2010年~2025年)

2010〜2014年は比較的プラス圏が多く、特に2013年はアベノミクス・黒田日銀スタートの年でゴールデンウィーク明けから強い上昇基調が続きました。一方2015〜2019年は、中国景気の減速懸念・英国EU離脱問題・米中貿易戦争など外部リスクがゴールデンウィーク明けの市場を直撃した年が多く、下落が目立っています。

<直近6年(2020〜2025年)のGW明けを詳しく解説>

2020年以降、直近6年間のゴールデンウィーク明けの株式市場をさらに詳しく見ていきましょう。▼連休明け10日目までの日経平均株価の動きをグラフ化しました。

GW明け後10営業日の累積騰落率(始値ベース、2020〜2025年)。年によって初動と10日後の方向性が逆になるケースも

GW明け後10営業日の累積騰落率(始値ベース、2020〜2025年)。年によって初動と10日後の方向性が逆になるケースも

2020年以降は上昇3回・下落3回と、56年間平均(66.1%)より低い上昇確率にとどまっています。各年の詳細を確認しましょう。

  • 2020年(コロナショック後)
  • ゴールデンウィーク明け初日は-1.53%と小幅安スタートとなりました。しかしコロナ禍での大規模金融緩和を背景に、10営業日後には+3.46%まで回復しました。初日安から反発した典型例です。

  • 2021年
  • 緊急事態宣言が継続するなか、初日は-0.10%と小幅安でした。その後も方向感がつかめず、10営業日後は-3.52%と軟調に推移しました。

  • 2022年(FRB利上げ局面)
  • ウクライナ侵攻・FRBの急速な利上げが始まった年です。ゴールデンウィーク明けは初日-0.24%と小幅安となり、その後も売りが続いたため、10営業日後には-1.54%まで下落しました。

  • 2023年
  • バフェット氏の日本株買い増し報道も追い風となり、ゴールデンウィーク明けの初日から+0.83%と力強い上昇を見せました。10営業日後には+6.90%まで上昇が続きました。

  • 2024年
  • 円安・好業績期待を背景に初日から+1.85%の上昇となりました。その後も堅調を維持し、10営業日後には+2.18%となっています。

  • 2025年(トランプ関税ショック後)
  • 4月上旬にトランプ政権による関税強化で日経平均は急落し、一時3万1,000円台まで下落しました。しかしゴールデンウィーク前にかけて急回復し、4月28日の終値は35,839円となりました。さらにゴールデンウィーク中に米中関税交渉への期待が高まり、5月7日の始値は36,903円と+2.97%の大幅上昇でゴールデンウィーク明けを迎えています。10営業日後は+5.26%となりました。

    Next: 「セルインメイ」は本当か?実際のデータで見る、5月の月別騰落率

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