いよいよホルムズ海峡危機で国内物価が高騰すると予測されている6月が近づいている。そこで今回は、日本の主要な製品について、どのくらい価格が高騰するのか詳細にシミュレーションした。(『 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ 』高島康司)
※本記事は有料メルマガ『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』2026年5月22日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
6月に物価高騰が予想される理由
2026年6月に予想される国内物価の高騰の詳細なシミュレーションをしてみた。
5月19日にイラン攻撃を再開する予定であったが、トランプ大統領はイランが交渉に積極的な姿勢を見せているとして、土壇場で攻撃を中止した。しかしイランが交渉に積極的でない場合は、攻撃もあり得るとしている。
しかし、やはり発言の90%以上がウソとデマカセのトランプだけあって、今回の攻撃中止の理由もイランが交渉に積極的になったからという理由ではまったくなかった。
国防総省の当局者がニューヨーク・タイムズ紙に語ったところによると、軍は重大な安全上のリスクを理由に、実際には作戦の停止を強く求めていた。内部のインテリジェンス(情報分析)は、空爆を敢行すればアメリカの航空機が即座に危険にさらされることを示していた。軍の指導部は、うわべだけの政治的な見栄えを維持することよりも、人員と装備の保護を優先したのだ。彼らは政権に対し、戦術的な環境が自軍にとってあまりにも不利な状況に変化してしまったと説得した。
主な懸念は、イランがアメリカの航空作戦を追跡する能力を大幅に向上させていた点にあった。イランのレーダーシステムは、アメリカ軍の飛行ルートや展開パターンを、予想を上回る精度で監視することに成功していた。この高度な監視能力は、アメリカのいかなる突入部隊も「奇襲の要素」を完全に失ってしまうことを意味していた。計画立案者たちは、アメリカの戦闘機が目標に到達するはるか前に、その位置や情報が看破されてしまうことに気づいたのだ。
さらに、イランは主要な戦略地帯の周辺で、国内の防空体制を猛烈に強化していた。イラン政府は、高高度を飛行するアメリカの航空機を標的にできる、先進的な地対空ミサイルシステムを配備した。これらのアップグレードにより、アメリカの通常兵器(戦闘機など)の生存を脅かす、極めて激しい空域が形成された。この現実を突きつけられたアメリカ軍は、ステルス戦略や電子戦戦略を再評価するため、戦術的な撤退を余儀なくされたのである。
これが作戦中止の実態であった。あまりに大きな犠牲のリスクを恐れ、トランプ政権はイラン攻撃を実行できないでいる。
一方、この状況をよく理解しているイランは、妥協する姿勢はまったく見せていない。攻撃しないことの保証、賠償金の支払い、ホルムズ海峡の管理権、制裁の解除など5つの要求項目を取り下げる気配はない。
これを見ると、ホルムズ海峡の閉鎖は長期化する公算が非常に高い。
3つの具体的なシナリオ
ホルムズ海峡危機が継続する場合、世界的なサプライチェーンに影響が出てくる6月あたりが、日本でも深刻な物価高騰が起きると予測されている。いよいよその6月になるので、国民生活に影響の大きい主要な製品がどのくらい高騰するのか具体的にシミュレーションすることにした。
分析のもとになったモデルは、米シンクタンクの「国際戦略研究所(CSIS)」と日本の「社会構想デザイン機構(ISVD)」が公表している構造分析の結果を基礎にした。また、価格の高騰率の変動は、高市政策の政策を前提に、次の3つのシナリオを想定した。
<物価高騰シナリオA(発生確率:30%)>
補助金が8-9月まで持続。暫定税率廃止と補助縮小が相殺し、ガソリンは175〜180円/Lで推移。電気・ガスは7-9月に+8~12%で頭打ち。
<物価高騰シナリオB(発生確率:50%)※メインシナリオ>
補助金原資が7〜8月に枯渇。補正予算の手当てが間に合っても上限が見え、9〜10月にガソリンは190〜210円/Lへ上昇。電気・ガスは秋以降に+15~25%。
<物価高騰シナリオC(発生確率:20%)※悲観シナリオ>
6月中に補助原資が枯渇し、補正予算審議も間に合わず、ガソリン価格が250〜280円/Lへ急騰(補助の崖)。野村総合研究所の試算(WTI $140想定)に接続する水準となり、日本の実質GDPを0.65%下押し、物価を年間で1.14%押し上げる深刻なシナリオである。
日本国内物価高騰のシミュレーション
それでは我々の生活に影響を与える具体的なシミュレーションを見てみよう。







