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飲食店は耐えるより閉店すべき。決断が遅れると完膚なきまでに叩き潰される=鈴木傾城

どのみち2020年中は状況が改善しない確率が高い。さらに2021年になってもパンデミックによる停滞が継続するかもしれない状況にある。ズルズルとやっていると損失が広がるだけだ。そうであれば、ここはいかに素早く撤退できるかが生死を分ける境目であるということが分かる。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、主にアメリカ株式を中心に投資全般を扱ったブログ「フルインベスト」を運営している。

泥沼に落ちる前に足抜けするのは良い選択

コロナによって大打撃を受けているのは、飲食店だ。3月、4月の時点でさっさと飲食店を畳んだ個人営業の経営者は、泥沼に落ちる前に足抜けしたということなので、逆に良い選択をしたのかもしれない。

ただ、すべての飲食店経営者は「これはヤバいな」と思ってもさっさと足抜けできるわけではない。大抵は、店を出すのに借金をしており、その借金は毎月の店の売り上げで返す計画で進めているからだ。

コロナで客が減って経営が成り立たなくなると思っても、店を畳んだら最初の出費がそのまま大損になってのしかかってくるので、逃げようにも逃げられない。

そこで「数ヶ月様子を見てみよう」という判断になる。

数ヶ月何とか耐え切れば、コロナも収束して客が戻ってくるかもしれないではないか。しかし、その見通しは打ち砕かれた。

緊急事態宣言を耐えても客足は戻らず、7月に入ってもコロナは収束するどころか逆に感染が拡大してよけいに状況が悪くなってしまっている。8月に入った今も、感染拡大は続いて終わる気配もない。

「コロナは湿気に弱いので梅雨に入ったら収束する」という専門家の予測も外れたし、「コロナは熱に弱いので夏になったら収束する」という専門家の予測も外れた。

「コロナはただの風邪」という専門家もいるが、その裏側で「コロナで軽症の人も後遺症がひどい」という実態も浮かび上がってきた。「コロナは流行すればするほど弱毒化する」という専門家もいるが、その裏側で「強毒性のコロナが生まれている」という分析も出てきている。

「ワクチンや治療薬が2020年中に開発されて2021年には流通しているはず」という憶測もあるが、WHO(世界保健機関)などは「特効薬としてのワクチンや治療薬は永遠にできないかもしれない」と言い出し始めている。

2020年はコロナ禍で終わる

何が正しくて何が間違っているのかは専門家でも諸説がある上に、ワクチンや治療薬の開発も一筋縄ではいかないものがあるのだから、すべての予測は「あくまでも予測である」と思いながら聞いておくのが正しい。

しかし、確実に言えるのは「コロナは8月には収束している」と考えるのはあまりにも楽観的過ぎるということだ。9月はどうか。それも楽観的だろう。10月はどうか。3ヶ月でワクチンや治療薬ができれば素晴らしいことだが、それも難しいのかもしれない。

とすれば、向こう3ヶ月間、コロナによる社会の停滞がずっと続くというのは「ほぼ確定」として考えた方がいい。10月までごたごたすれば、すぐに11月がきて12月がきて2020年は終わる。

その頃はワクチンの第3相臨床試験の結果も出揃っている。場合によっては、少しは希望がもたらされているかもしれない。ファイザー・バイオンテック連合や、モデルナなどが効果のあるワクチンを生み出しているかもしれない。

しかし、確定ではない。何とか効くワクチンであっても、それがすぐに市中に出回るわけではないので、やはり2020年は経済がコロナ前の状態まで回復するのは難しいかもしれない。

Next: とすれば、合理的に考えると飲食店は「粘るよりも店を畳んだ方が傷が浅い」――

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