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熱海土石流の「犯人」に悪質な前科。違法盛り土所有者の実名、なぜマスコミは隠蔽?=山岡俊介

熱海の土石流災害についてはこれまで報道を控えていたが、静岡県副知事が「違法な盛り土が原因」との見解を示したので、この盛り土の前・現所有者につき実名報道することにした。両者ともに調べると悪質な前科を持っている。(『アクセスジャーナル・メルマガ版』山岡俊介)

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※本記事は有料メルマガ『アクセスジャーナル・メルマガ版』2021年7月19日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:山岡俊介(やまおか しゅんすけ)
1959年生まれ、愛媛県出身。神奈川大学法学部卒。零細編集プロダクションに2年半在籍し、29歳で独立。91年『週刊大衆』の専属記者を務めながら『噂の真相』『財界展望』などを中心に記事執筆。主な著書に『誰も書かなかったアムウェイ』『アムウェイ商法を告発する』(以上、あっぷる出版社)、『銀バエ実録武富士盗聴事件』(創出版)、『福島第一原発潜入記 高濃度汚染現場と作業員の真実』(双葉社)など。

静岡県副知事が「違法な盛り土が原因」との見解を示す

静岡県熱海市伊豆地区で7月3日に発生した土石流では、これまでに死者18人、行方不明者12人(18日現在)を出している。

これまで報道を控えていたが、13日、静岡県の難波喬司副知事は記者会見し、この大惨事は「違法な盛り土が原因」との見解を示したので、この盛り土の前・現所有者につき実名報道することにした。

この重大疑惑の盛り土の土地、そもそもは前所有会社が宅地開発を目的に購入し、2006年、熱海市に申し出て「盛り土」を行った。しかし、資金難から計画は頓挫。そして翌07年には熱海市に今度は「残土処理」の目的で申し出をしている。

そもそもこの盛り土、法令に違反して届け出と異なる工事が行われた。届け出では盛り土の高さは15mとされたが、実際は最大50m以上もあった。また、排水管も設置されていなかったようだ。

その上、残土申請して以降、木くずやタイルなど違法な産業廃棄物が含まれた建設残土が捨てられた。

そこに、熱海観測史上最大の降雨があった。

このため、それでなくても盛り土は地盤が脆弱になるのに、木くずなどが土壌の隙間を作り、さらに脆弱に。しかも、巨大な盛り土だったことから、土石流は途中の砂防ダムも役に立たず、下の住宅地まで一挙に流れ、今回の大惨事になったと見られる。

2011年、現在の所有者に転売されている

この盛り土、2011年には現在の所有者に転売されている。

こうした経緯を見れば、もっとも責任があるのはこの前所有者だろう。

ただし、この盛り土のすぐ横には太陽光発電所がある。これを建設したのは、この一帯の土地を所有する現在の盛り土所有者。

あくまで一般論ながら、太陽光発電所建設のために、傾斜地の森林を伐採したことで、なおさらこの一帯の山の保水力が低下したとの見方もある。また、前所有者が盛り土を作ったとはいえ、現所有者である以上、違法または危ない状況を是正すべきだったとか、管理責任を問う声も出て当然ではないか。

そして、この前・現所有者(オーナー、元社長)につき調べて見ると、共に前科あり。しかも、以下に述べるが悪質な犯罪と来ている。

そうした事実をも思えば、この2人、順法精神に乏しいと思わざるを得ず、なおさら疑問に思わないわけにはいかないのだ。

Next: 「違法盛り土」の前・現所有者が犯した罪の数々

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