fbpx

熱海土石流の「犯人」に悪質な前科。違法盛り土所有者の実名、なぜマスコミは隠蔽?=山岡俊介

虚偽の登記、違法なデリヘル入居で罪を問われた前所有者

まず前所有者だが、それは神奈川県小田原市のS社。現在は登記書き換え中で閲覧できない状況だが、既報道によればすでに清算されている。そのS社のオーナーで、元代表はA氏である(※編注:有料メルマガ内では、本記事では伏せた法人名・A氏の実名も公開しています)。

同社は不動産会社で、そもそもは1999年6月、ペット葬儀業、美容室などを目的に設立されたが、03年1月に競売ビルを落札したことから、社名をS社に改めて不動産業をするように。

しかし、その買収資金もあの悪名高かった「SFCG」から借入、結局、支払えずすぐ譲渡担保でSFCG名義に。

そんな会社なのに、宅地開発に乗り出したのだから頓挫するのも無理ない。

しかも、このA氏、00年5月(一審判決)には、小田原市のログハウス経営会社の債務整理に介入し、右翼の男らと、債権回収妨害事件を起こし、虚偽の賃借権設定仮登記や所有権移転登記を申請。公正証書原本不実記載・同行使と競売妨害罪に問われ、懲役1年4月、執行猶予3年の判決を受けている。

それだけではない。落札したビルのテナントに、売春を周旋している違法なデリヘルと知りながら入居させ、しかも高い家賃を取っていて、09年11月、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等収受)容疑で逮捕されてもいる。

こんな人物であり、静岡県副知事も「人災」といっている以上、もはや大手マスコミも実名報道してもいいと思うのだが未だしないことに関しては、A氏、自民党系の同和団体「自由同和会」幹部でもあり、未だ同和タブー、あるいは自民党に忖度してとの見方も出ている。

現所有者は不動産業の元代表、脱税で服役

一方、現在の所有者はM氏個人。盛り土横の太陽光発電所を所有・経営するのは、このM氏が率いる東京都千代田区のZ社である(※編注:有料メルマガ内では、本記事では伏せた法人名・M氏の実名も公開しています)。

このZ社は不動産業のU社(愛知県名古屋市)、建設業のM社(同)、マンション管理のL社(東京都千代田区)などからなり、そのグループ売上高は約750億円(20年12月期)にもなる。上場準備をしていたが、このコロナ禍で先送りしたようだ。M氏は、Z社の代表も取締役も19年3月に辞めているが、現在もオーナーであることに変わりはない。

そのM氏だが、計6億円以上の脱税で92年1月、懲役2年の実刑(控訴審)となり、弟と共に服役している。

なお、98年には前出のグループ会社・U社が所有、同M社社員の訓練のために飛んだ軽飛行機が墜落し5人が死亡。さらにいえば、大坂の学校法人「M」を巡っては、業務上横領で、元理事長らが逮捕され、これも大きな話題になったが、昨年8月、M氏が資金援助し、再建を目指すことが決まっている。

Next: なぜ大手マスコミは実名を報じない?現所有者の代理人は超大物

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー