「エンタメバブル」の崩壊過程にあるのか?
ここで少し、より長期的な視点から「エンタメビジネス」の現状を考察してみましょう。
私は現在、ソニーに限らず任天堂やサンリオも含めた「IP・エンタメ業界」全体に、ある種のバブルの剥落が起きているのではないかと感じています。
コロナ禍において、人々は自宅で過ごす時間が長くなり、スイッチで遊んだり、アニメを見たり、おもちゃをコレクションしたりすることに時間とお金を費やしました。
それが「大人向けおもちゃ」や「推し活」のブームを加速させた側面があります。
しかし、社会が正常化し、仕事が忙しくなり、外での飲み会やアウトドアのレジャーが復活する中で、家の中でのエンタメに向けられていたエネルギーが分散され始めているのではないでしょうか。
エンタメ業界は、過去を振り返っても約20年周期で大きな浮沈を繰り返してきた、栄枯盛衰の激しい世界です。
ブームを支える「にわかファン」が去り、熱狂が一度冷めてしまうと、そこからの業績予測は非常に困難になります。
ソニーは「買い」か「待ち」か?
株価が大きく下がってきた今、PER(株価収益率)は表面上19.6倍程度となっています。
これを「いよいよ買い時だ」と見る投資家も少なくありません。
映画、音楽、アニメ、ゲームをこれほどまで幅広く網羅し、世界的にコングロマリット化できている企業は他にはなく、もしエンタメ企業の中で一社選べと言われれば、私もソニーを挙げます。
しかし、来期の減益リスクや、エンタメブームそのものの変調という不透明な状況を鑑みると、私個人としては今の瞬間にあえて手を出すのは非常に勇気がいる判断だと感じています。
一方で、「鬼滅の続編は必ずヒットする。長期目線で少しずつ仕込みたい」という考え方も、投資の一つの正解です。
自分を信じて投資を決めるために
ソニーグループは、家電メーカーからエンタメ帝国へと姿を変え、より儲かる方へとシフトし続けてきた素晴らしい力を持つ会社です。
現在の株価下落が単なる調整なのか、それともビジネスモデルの転換点なのかは、最終的にはご自身の感覚と目を信じて判断していただきたいと思います。
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『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2026年2月12日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。