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沈み行くアメリカと米ドル。ロシアとイランの計画、新たな2つの兆候

ロシアが独自の原油価格基準を作り、米ドルから独立することを目指しています。イラン原油もユーロ建てのみとなり、既存のドル建て売掛金までユーロで返済要求をする状況。すぐに米ドル体制が崩壊することはないでしょうが、徐々に侵食されていくのは避けがたいでしょう。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)

米ドルとの決別に動き始めたロシア、そしてイラン

ロシア政府の基本計画

イスラム国を支援するトルコは、シリアのアレッポへ入り、同じくサウジアラビアも支援するはず。アサド政権を憎む米国は息をひそめている。シリアのアサド政権を支援するロシア、イランはシリアのアレッポのイスラム国を殲滅しようと必死の形相。

という図式からすれば、ロシアはサウジアラビアの敵。ロシア原油の価値を下げているのもサウジアラビアの増産がきっかけ。しかしロシアと同じくアサド政権支援のイランも原油を増産している産油大国。本質的にはイスラム内部の宗派戦争。

これに西欧世界が軍事介入するのは愚の骨頂であり、イスラム社会としてどうすべきなのかを決めるべきだと思うのは私だけなのでしょうか。軍事的にしか解決できないと分かっていても、それでも、その軍事的行動に西欧社会が参加するのは非常に危険だと思えるのです。

ロシア政府としては大事な国家収入源である原油価格を米ドル建てや米ドルだけの取引にはしたくないのです。また、自国通貨建て取引にして米国の原油価格操作介入を減らしたいはずです。

下記の報道は世界経済からペトロダラー(編注:原油など資源取引での米ドル決済のしくみ)を減らすためのロシア政府の基本計画です。
Russia Breaking Wall St Oil Price Monopoly

報道のポイント

ロシアはウォール街から原油価格決定権を奪い取りたい。原油市場全部の奪取は無理でも、ある程度の部分は取り戻したいのだ。

これはロシア経済のアキレス腱となっている原油輸出を、米ドル建てから切り離す長期的戦略である。

昨年2015年11月に試験的運用開始を発表していたが、もし今後も成功すれば、ロシア原油の取引はルーブル建てとなり、そうなるとロシア、中国だけでなく、そのほかの国々も静かに米ドルから離脱し始めるだろう。

ウォール街の世界原油価格支配の中核は米ドルの原油基準価格である。現在、ロシアの原油は常に「ブレント価格」と言う原油指標価格に基づいて計算されている。そのブレント価格の主体である北海原油はすでに産出量が極端に減っているにも拘わらず、ウォール街のGS、MS、JPMやCitibankが先物デリバティブで価格操作をしている。

中国、日本、ドイツ等の外貨準備が米ドル資産であること、米ドルが世界覇権通貨であることが、米国が世界覇権を握る1つの大きな柱であり、2つ目の柱が世界最強の米軍なのである。

米国以外の国々が原油輸入をするには米ドルが必要であり、ロシアや中国は貿易で稼いだマネーを米国債に投資して保有するからだ。

ユーロ債はリスクが高いから嫌われている。それまで対外決済に関しては準金本位制であった米ドルは、1971年のニクソンショック以降の時代に入っても、世界覇権通貨であることにより金利上昇を心配することもなく、無制限に累積債務を増やすことができた。

換言すれば、戦争のコストも、他国の米国債購入で支えられてきたのだ。

Next: ロシアは独自の原油価格基準を作り、米ドルからの独立を目指す

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