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沈み行くアメリカと米ドル。ロシアとイランの計画、新たな2つの兆候

イラン原油も「ユーロ建て」のみに。ドル建て売掛金もユーロで返済要求

イラン原油は米ドルでなくユーロ建てのみ。これまでの売掛金もユーロで返済して欲しいとの姿勢。ロイター報道です。
Exclusive: Iran wants euro payment for new and outstanding oil sales – source

報道のポイント

イラン政府は、イラン原油取引に今後はユーロ決済を導入するだけでなく、過去の経済制裁で凍結されていた何百億ドルものドル建て原油売掛金もユーロ決済で受け取りたいとインド等の相手国に申し入れをしていることが分かった。これは米ドルへの依存度を減らす目的である。

内部消息筋によると、国有イラン石油(NIOC)社はロイターに対して、Total社(フランス系石油ガス大手)、Cespa社及びLitasco社(スペイン系石油精製会社)、Lukoil(ロシア系)との最近合意した売買契約ではユーロ決済を用いる事を明かし、「我々の請求書には、代金決済は納期時点でのユーロ建てと明記している」と語った。

また、この消息筋によると、原油代金の債務者に対しては、過去の売掛金は米ドル支払いではなく、ユーロでの支払いを要求しており、その理由は「イランの政治的な理由からである」と語った。

この米ドル建てからユーロ建てへの動きが示すのは、米国との間で経済制裁解除合意に至っても、両国間の間には拭い難い不信感や隔たりが存在する証拠である。

米国政府による、イランの海外における凍結資産は約100B$(約12兆円)程度であり、その中の半分程が実際に凍結解除で持ち帰ることができるものだろうと推定しているが、その中のどの程度がイラン原油決済金なのかは不明である。

インドの場合、約6B$(約7200億円)程度がイランに対する債務であることが分かっており、インド政府もこのイラン原油のユーロ建て支払い決済を認めている。

インド政府は、イラン原油取引の決済はその納入時点の対米ドル・ユーロ為替レートを用いること、および支払い遅延の金利もユーロ建てになることを認めている――

すぐに米ドル体制が崩壊することはないでしょうが、徐々に侵食されていくのは避けがたい状況です。

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いつも感謝している高年の独り言(有料版)』(2016年2月15日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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