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なぜ青森県に中国人観光客が殺到するのか。SNS上で「なんで?」との声が続出…人気を呼ぶ3つの要因とは

中国人観光客の間でなぜか青森県の人気が沸騰しており、観光客が殺到しているというニュースが大きな反響を呼んでいるようだ。

報道によれば、中国のSNS「ウェイボ」において青森県の公式アカウントのフォロワー数は約130万人と、大阪の14万7,000人、神奈川の9万4,000人、群馬の5万8,000人を凌駕する人数に。ちなみに青森県の人口約118万人ということで、それも超える数だという。

実際、青森市内の市場「青森魚菜センター」や名物のねぶたを展示している観光施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」などは、中国や台湾からの観光客で盛況のようで、訪れた中国人観光客からは「青森県は東京に劣るとは思わないです」という声もあがっているようだ。

“後伸び”した青森県へのインバウンド流入

十和田湖に弘前城など見どころの観光スポットに事欠かず、さらにリンゴやマグロなど食べ物も美味しい青森県。

しかしながら、日本に来た中国人観光客がなぜかそんな青森に大挙して向かっていると聞くと、変な話「他に行くところがあるのでは?」といった気もしてくるところで、SNS上でも「なんで青森?」「王林さんのおかげ?」などと、首を傾げる反応が多いといった状況だ。

なぜ中国人観光客は、他の観光地ではなく青森県を目指すのか……。この素朴な疑問に関しては、今回取沙汰されている記事のなかでは、県の担当者が「平成23年にアカウントを開設以降、地道に継続して情報発信してきた結果です」と答えたことを紹介するに留まっている。

ただ、中国人に代表される外国人観光客の間での青森人気の急上昇は、別に今に始まった話ではなく、現に観光庁が発表している宿泊旅行統計調査結果によれば、2017年において青森県は外国人観光客の延べ宿泊者数の伸び率が164.5%と、都道府県別で1位になっていたとのこと。

その理由としては、当時から数々の説が取沙汰されていたようで、そのひとつが中国人にとって日本は“リピートしやすい国”であるといった事情

中国人が海外へ行くには、ビザの取得など行く国によっては面倒事がかなり多いというのだが、日本に関しては事前申請が必要なものの有効期限が1年~5年と比較的長く、一度ビザを取れば次は不要。というワケで、中国人にとって日本はリピートしやすい国なのだという。

となると、最初の訪日で「東京」「京都」「富士山」といった有名スポットを、あらかた押さえた向きからは、次に行く時は前とは違った場所、なんなら他の中国人が行かないような場所に行きたいということになり、その結果、青森などの定番ではない地方にも目が向くといった状況になったというのだ。

確かに、いわゆる“爆買い”を伴う中国人観光客の大量訪日が取沙汰されていたのが、2000年代後半から2010年代半ばあたり。それに対し、青森県が外国人観光客の数を伸ばしたのが、先述の通り2010年代後半からだったという“後伸び”ぶりをみると、そういった経緯も大いに考えられそうなところである。

中国人が抱く“雪国”への憧れ

いっぽうで、そんな日本の地方を目指すようになった中国人だが、そこにくわえて潜在的な“雪への憧れ”が、数あるエリアのなかでも“雪国”青森をチョイスする理由になっているといったも。

中国でも黒竜江省や吉林省といった北方に行けば雪はドッサリ降るというのだが、上海はもとより北京などでも寒いは寒いが雪が降ったり積もることはなかなかないよう。そのうえ中国の雪は、PM2.5の影響かちょっと薄汚れているといったイメージも、中国現地の人々の間でもあるようで、日本の雪国でみられるような真っ白でふわふわな雪に憧れる中国人は多いという。

さらに、青森固有の理由ということでいえば、中国人の青森県への流入に大いに貢献したといえそうなのが、インフルエンサー「モンちゃん」の存在

2010年頃に青森県内の大学に留学していた大連出身の中国人であるモンちゃんは、ほどなくして同地の情報発信を、中国の動画配信サービス「优酷」などで展開し始めたのだが、それらの動画のひとつが800万ビューを超えるヒットとなったこともあって、モンちゃんへの注目度とともに青森県の知名度も俄然アップ。今回話題になっていた、中国SNSにおける青森県アカウントのフォロワー数の多さにも、一役買っていたようなのだ

このように、中国人観光客らの「定番ずらし」や「雪への憧れ」といった意識、さらに10年以上も前から続いている「中国ネット上における注目度アップ」が結びついたことが、近年の青森県におけるインバウンドの活況ぶりに繋がっているようだ。

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