最近流行りのオシャレな「意識高い系」と呼ばれるようなラーメン屋で、食中毒に遭ってしまったという方のツイートが、SNS上で注目を集めているようだ。
3コマ pic.twitter.com/70jqAyWZoE
— ミンカPはみずきんちゅ (@minnkap000) July 1, 2022
そのツイートには、鶏白湯スープとみられる美味しそうなラーメンと、39度1分という尋常ではない数値を表示している体温計、そして食中毒を伝える新聞記事という3つの画像が添付され、ラーメンが原因で高熱を伴う食中毒症状に陥ったということを端的に伝えている。
冷やしやつけ麺などは別として、写真のような温かいラーメンで食中毒が発生するものなのか……という素朴な疑問も湧いてくるところだが、画像の新聞記事によると発症者の便からは「カンピロバクターが検出された」とのこと。
このカンピロバクターだが、健康な鶏、牛、豚などの腸内に常在する菌だといい、特に鶏肉に関しては流通しているものの60%以上が、この菌に汚染されているとの報告もあるとのこと。実際大阪府では、このカンピロバクターが原因の食中毒が全体の半数以上を占めるというのだ。
そこで改めてラーメンの画像を見てみると、そこには鶏肉とみられるチャーシューが4枚乗っているのだが、周りは火が通って白くなっている反面、中心部は鮮やかな生肉の色で、十分に加熱されているかどうか疑わしい状態。どうやらこれが、カンピロバクターによる食中毒の原因ではないかと、多くの方から指摘があがっている状況だ。
ラーメンで食中毒起こしたというツイートが出回ってきて、「ラーメンってそうそう食中毒起こすような食べ物だろうか?」と思ったら、鶏の生チャーシュー使ってたのね……。そりゃ確率で起こるわ……
— dragoner@1日目東シ77b (@dragoner_JP) July 1, 2022
トレンドにカンピロバクターが。どうやら「鶏チャーシュー」と名の付いた「生肉」を出していたラーメン屋さんがカンピロで食中毒を出したらしい。
最近、低温調理を謳う店が増えてるけど、けっこう心配だったりする。
カンピロは新鮮だから安心というモンじゃないからね。 https://t.co/Y2zcNL6nid— 安達裕章 (@adachi_hiro) July 1, 2022
有名ラーメン店の店主からも注意喚起の声が
近年では全国各地にその手の店が誕生し、今ではすっかり定着した感のある意識高い系と呼ばれるラーメン。
麺やスープ、具材などに大いにこだわった一杯が多く、たまに食べるととても美味で良いものだが、いっぽうで全体的にこじんまりと盛られるといった傾向で、さらにそのボリュームの割には1,000円近く、あるいはそれを軽々と超えるといった価格設定が、しばしば不興を買うこともある。
そんな、いわゆる意識高い系ラーメンにおける定番の具といえば、低温調理によるチャーシュー。念入りに下処理をした塊肉を密閉袋などに入れて真空状態にし、60~70度といった比較的低温で湯煎加熱して火を通したもので、完全に加熱されたチャーシューでは味わえないようなしっとりと柔らかい食感が人気だ。
ただ、そのいっぽうで加熱が不十分だと、先述のカンピロバクターなどの菌がしっかりと殺菌されず、食中毒が発生する危険性も孕む。そのため、塊肉など食材の中心部を「63度で30分」の目安で加熱すべしといった、細心の温度管理が調理時において要求されるというのだ。
とはいえ、そんな低温調理のチャーシューがある種の流行となり、提供する店が大いに増えていくなかで、その細心の温度管理が行き届いていないところも出てくるのは必然の流れ。一部の客の間では、以前から「大丈夫なんだろうか?」「コレ、生なんじゃ…」といった低温調理のチャーシューに対しての忌避感も、少なからず広がっていた模様だ。
RT
私見だが昔は低温調理のチャーシューはなるべく食べないようにしてたわちょっと前からラーメン屋で流行って今では当たり前に低温調理のチャーシューを出す店があるが、本当に大丈夫か?と心配になる時があるわ
生とレアは違うからね
— ハルハル( ˘ω˘ ) (@wakaba555777) March 1, 2021
某ラーメンブロガーの某ラーメン店の記事で低温調理の鶏チャーシューが紹介されてるんだけど、コレ、生なんじゃ…という感じの仕上がりでカンピロの顔つきになってる
— おすし (@osushi_8615) April 17, 2022
そういえば最近低温調理のしっとり系薄いチャーシューを見かけることがあるんだけど、居酒屋で食った鳥刺食ってカンピロで苦しんだことがあるからちょっとどきどきしちゃうんだよね…
— シオ (@funf110) June 11, 2022
さらに、影響力のある有名ラーメン店の店主からも「知識の無い低温豚チャーシュー ホントやめて下さい」「一回何かあったらラーメン業界のみならず豚肉の低温調理自体が禁止になるよ」といった注意喚起の声が、過去にはあがっていたというのだが、願いかなわずこの手の食中毒は、各地で起こっているようなのだ。
行き過ぎた節電も食中毒発生を招く?
さらに、今夏は電力の逼迫が大いに騒がれているが、このことが食中毒発生のリスクをさらに上昇することに繋がるのでは……といった見方も。
8月からは節電ポイントが導入されるなど、国民挙げての節電が政府から求められるいっぽうで、休止していた火力発電所などの再稼働も行われ、電力の供給不足をなんとか解消しようとしている昨今。だが、その火力発電所も老朽化しているところが多く、先月30日には福島県の勿来火力発電所が停止するトラブルも発生するなど、綱渡り的な状況が続いている。
そんななか、先日テレビのとある報道番組で、節電に取り組むラーメン店が取り上げられていたようなのだが、そのなかで日頃4~5℃に設定している冷蔵庫を、節電のために8℃にしていると紹介。それに対し「食中毒の季節なのに大丈夫?」「安全への意識が低いのは問題ですよね」と、異論反論が渦巻く展開となったのだ。
ラーメン店で節電の為に冷蔵庫の温度を4℃から8℃設定に変えてるとニュースでやってるがマジでバカなの!?
何のための4℃設定か分かってんのか??
それで食材傷んで菌が増えて食中毒出るリスクをまさか分かってないとかバカな事ないよな??
普通にありえないんだけど。#節電— intelno4@伊藤槙人=Go Beyond 突き進め!! (@intelno4) June 28, 2022
節電のために、飲食店が冷蔵庫の設定温度を上げるのって怖すぎる。食中毒の季節なのに大丈夫??
— COO2017⭐な会 (@coo2017) June 28, 2022
節電意識はとても高いけど、飲食店で一番大事な食の安全への意識が低いのは問題ですよね。。あのラーメン屋で食中毒者が出ないことを祈るばかりです
— deepsnow (@tsutsubay25) June 28, 2022
ラーメンや節電に対する意識が高いのは結構なことだが、それ以上に飲食店の基本である衛生面での意識も高めて欲しい……。外食好きの間からは、食中毒シーズンでもある本格的な夏の時季を迎えて、そんな声も少なからず上がっている状況だ。
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