ウクライナのゼレンスキー大統領は、久々にダボス会議で対面の演説を行うことになりました。ところが、開戦当初どこの国の議会で演説してもヒーローのように賞賛されたゼレンスキーの姿はすでになく、ぼろぼろの結果だけが残る状況となってしまいました。(『 今市太郎の戦略的FX投資 今市太郎の戦略的FX投資 』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2024年1月22日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
ゼレンスキー大統領はいつもの調子で演説するが…
ウクライナのゼレンスキー大統領は、米国からの勧めもあって、久々にダボス会議で対面の演説を行うことになりました。
ロシアが突然侵攻してきた2022年の2月24日から丁度2年が経過しようとしていますが、戦争開始当初どこの国の議会で演説してもヒーローのように賞賛されたゼレンスキーの姿はすでになく、ぼろぼろの結果だけが残る状況となってしまいました。
ゼレンスキー大統領はいつもの調子でダボス会議で演説を行い、戦争は、公正で安定した平和で終わらせなければならないとして、一時的な停戦ではなくロシアを敗北させることが重要だと強調。引き続き欧米諸国からの強力な支援を受けることを強く要望しました。
しかしそれに対する参加者の反応は、2年前が嘘のように冷ややかで、明かに状況が変化してしまったことを誰しもが認識させられるイベントとなってしまいました。
ウクライナへの支援に限界が来ている
EUはウクライナの早期加盟のために引き続き支援を表明していますし、EUから独立して自国の判断で振る舞うことができるようになった英国も引き続き強い支援を表明しています。
しかしながら、莫大な連邦債務に苦しみ始めた米国は、共和党が下院議会を握っていることから、もう追加でウクライナを支援する予算など皆無の状況。
最後まで支援を受けられると甘く考えていたゼレンスキー大統領を完全に行き詰らせる結果となっています。
またウクライナが負ければ、NATOとの戦いになると当初は非常にこの戦争を危惧してきたNATO加盟国・EU加盟国は、たった2年の戦争ですっかり疲弊してしまった様子。もはや資金についても兵器の提供についても、完全に及び腰の状況に陥っていることが見えてきます。
結果的にウクライナの敗戦は第三次世界大戦の引き金を引く……という、いつもながらのゼレンスキーの煽る演説はすっかり色あせており、完全にワークしなくなってしまったことが欧米の軍産複合体の皆様方の年次総会でもあるダボス会議の場ではからずも露見してしまうというかなり残念な状況に陥っています。