本邦個人投資家のスワップ取引通貨ペアとして長年人気を誇ってきた「トルコリラ円」が、エルドアンの大統領選挙勝利を受けて案の定大崩れ。対円では6円を割るという、ナイアガラの滝のようなチャートを示現しています。もしまだトレードされている方がいらっしゃるならば、とにかくすっきり決別して、次のことを考えるのが断然おすすめです。(『 今市的視点 IMAICHI POV 今市的視点 IMAICHI POV 』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2023年6月8日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
日本人投資家に大人気の通貨ペア「トルコリラ円」またも急落
読者の皆さまはすでにご存じかと思いますが、本邦個人投資家のスワップ取引通貨ペアとして長年人気を誇ってきた「トルコリラ円」が、エルドアンの大統領選挙勝利を受けて案の定大崩れとなっております。
対円では6円を割るという、ナイアガラの滝のようなチャートを示現しています。
このトルコリラ円、確かに相場が大きく崩れなければ毎日一定のスワップを付与させてきましたから、多くの本邦個人投資家に親しまれてきた通貨ペアであったといえます。
ただエルドアン政権になってから猛烈なインフレに直面しながらも、なぜか利下げを中央銀行に強要することが連続。もはや金融政策とは呼べないところに追いやられてしまったことが、今回のトルコリラの破綻的状況もたらしてしまったことが見えてきます。
エルドアン大統領がトドメを刺した?
足元のトルコのインフレ率は前年同月比78.6%といいますから、トルコリラの価値は激減しており、対ドルで言えば1年前のほぼ半分になってしまっていることが窺われるところです。
エルドアンは金利が下がれば物価も下落するというどこから出てきたのかよくわからない理論を相変わらず呪文のように唱えていますから、市場が呆れるのは無理もない話。
対ドル・対円・対ユーロでトルコリラが大崩れするのは、必然の状況であったと言うことができます。
これではまずレバレッジをかけて取引すること自体に無理が生じており、多少高いスワップ狙いだけでトレードすることはもはや無理なものになっていることを改めて感じさせられる状況です。
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