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EA運用のトップランナー、金ツッパ侍さんインタビュー|ハイボラ相場攻略のカギはリスクリワードレシオの最適化

※この記事はアフィリエイト広告を利用しています

EAトレーダーとして自らEAを開発、販売している金ツッパ侍さん。TwitterやブログでEAに関する有益情報を発信し続け、多くのトレーダーから支持を集めています。今回のインタビューでは、変動の激しい相場環境においてEA運用で成果を上げる秘訣を教えていただきました。

聞き手・本文:鹿内武蔵
(『外国為替』vol.2より改変/インタビュー日:2022年11月12日)

金ツッパ侍氏プロフィール

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裁量でスキャルピングをしていたものの、自分の時間を自由に使うためにEAトレーダーに転身。スキャルピング手法を駆使した自作EAを軸とし、EA仲間との情報交換を通じてトレード成績の向上につなげている。

 

勝つのが先か、死ぬのが先か

─今回はEA業界や自動売買市場の現状について、考えを聞かせていただきたく思います。まずは投資家としてのこれまでの経歴を教えていただけますか。

投資歴としては、もうすぐ9年になります。最初は株式投資から始めました。たまたま100万円ほどの臨時収入があり、それを元手に「ちょっと投資でもやってみようかな」という軽い気持ちで始めたのがきっかけです。若いころはスロプロとして生計を立てていたので、「株でも勝てるだろう」と思っていましたね。最初に3万円の情報商材を購入してスタートしました。

運よく、最初は50万円ほど利益が出たのですが、連続ストップ安などで結局は大きく損失を出し、1年目はほぼ敗北の連続でした。その後、FXに転向し、裁量トレードからスタート。スキャルやデイトレに挑みました。いろいろな情報商材を買いあさったのですが結果は出なくて、まさに「養分」でしたね(笑)。

その次は時間の優位性を狙うような手法に取り組んでいました。過去の価格データをExcelで分析し、マクロを用いて期待値の計算をしていました。

─その分析手法は成果につながったのでしょうか?

損はしませんでしたが、大きく稼げたわけでもなく、いま思えば過剰最適化だったかもしれません。

それから再び裁量トレードに戻り、検証の日々が続きました。平日は朝5時くらいに起きて出勤前と帰宅後に3時間ずつ、土日は10時間以上PCにかじりついて検証に没頭していました。「勝つのが先か、死ぬのが先か」の覚悟で続けていたら、動悸が止まらなってきて。本当に死ぬ気がして辞めましたけど…(笑)。

─検証はどのように行っていたのですか?

Forex Testerという検証ソフトを使っていました。いくつかの手法をソフト上で検証し続けていってから実資金トレードをする流れです。少額でリアルトレードを続けたのですが、結果は週単位でプラマイゼロほど。2017年のことです。

そして翌年、2018年に自動売買を始めました。2017年の年末に見かけたEA運用者のブログで、安定して収益を出している姿を見て「これは行けるかも」と(笑)。ハワイでの新婚旅行中に、ねこ博士さんのEA「Scal_USDJPY」を購入したのが自動売買の第一歩でした。

2018年はEAに有利な相場環境だったこともあり、複数のEAを稼働させて150〜200万円ほど年間で利益を出せました。そして翌2019年、自らEA開発に着手するようになります。

─順調に見えますね。

でも、2021年に手を出した仮想通貨は、めちゃくちゃやられました。DeFi、GameFiとあれこれ手を出したんですが、あまりにもセンスがなかった…。ポンジスキームだと分かった上で「おれは参入しないぞ!」と決めていたのに、周りの爆益具合を見ていてもたってもいられず、飛びつき、案の定そこが天井で爆損・…を繰り返してしまいました(泣)。

その年は仮想通貨のバブルで、周りの人たちはみんな儲けていたのに、私だけボロ負けでたぶん1000万円くらいは溶かしたはずです。その後EAの調子が上がってきて、なんとか持ち直し、今に至るという感じです。

─荒波ですね…。

EAの成績はボラティリティ次第

─運用の近況について教えてください。(編注:2022年11月当時)

2022年はまれに見る、ボラティリティが高い相場になっています。そして、EAの運用結果はボラティリティに非常に左右されます。このあたりはバックテストをしてみるとよく分かることで、ボラティリティが低い相場では、損大利小の逆張りEAの調子が良いです。ボラティリティが低いということは、トレンドがないレンジ相場ということですから、いずれ元の価格に戻ってくるまで耐えるロジックが勝つことは想像に難くないですよね? 2018年はそういう相場でした。

反対に、ボラティリティが大きくなってトレンドが出ると、トレンドフォロー型やブレイクアウト型EAの調子が良くなります。ただし、ブレイクアウト型にはスリッページといった実運用時のリスクがつきもので、好成績にならない場合もあります。

一般的に「相場の7割はレンジ」と言われていますよね。なので、ボラティリティが低い相場に合わせて作られた、レンジ相場型のEAの方が作り易い傾向にあります。だから販売されているEAはこの手のEAが多いですね。

─具体的な例はありますか?

たとえば1日の値動きが50pipsのとき、利確10pips、損切り100pips、リスクリワードレシオ0.1のロジックは聖杯になりえます。いずれは戻ってきて利食いできる可能性が高いですから。でも同じ設定で、1日のボラティリティが500pipsのトレンド相場に挑んだ場合、利食いはわずかなのに高い頻度で大きな損切りにあうので、おそらくボロボロに負けます。2022年のような強烈なトレンド相場では、こうしたレンジ相場型のEAは厳しかったはずです。

─ボラティリティが高い相場をEAで攻略するとしたらどうしますか?

鍵は「リスクリワードレシオの向上」です。私が2022年運用した中で、ブレイクアウトEAを高リスクリワードで動かしたものが非常に効果的でした。昨年までは+4pipsなどの薄利でトレーリングストップを発動していましたが、これに加えて+10~20pipsからスタートするような設定を平行稼働させました。こういう設定にすると勝率は当然落ちてしまうんですが、強いトレンドが出たときの破壊力はすさまじく、ちょっと目を離している間にものすごい爆益を叩き出していることもよくありました。

ちなみにこういったリスクリワードが大きめの設定は「期待利得」も大きくなります。期待利得とは、トレード1回で期待できる利益のことです。スプレッドが広がったり、スリッページが多く発生して取引コストが高くなっている今の相場環境に対して、期待利得を大きくすることはトレード成績を向上させていく上で欠かせないことだと考えています。

─EA界隈の最近の傾向についてはいかがですか?

レベルがどんどん上がっていて、日々勉強させていただいています。最近はEA運用者が開発者に転じるケースが多く、そういう人のEAはだいたい高品質です。以前は、過去の相場に過剰に最適化して、綺麗な損益グラフを作って売れるEAは作れるけど、自分では運用しないタイプの開発者が多かったイメージでした。またいろいろな販売サイトも出てきていて、以前より選択肢が増えているのもポジティブに捉えています。

初心者がEA運用で成功するには

─これからEAを始めたい人は多いと思います。そんな方たちへアドバイスを送るとしたら何を伝えたいですか?

あれこれ悩まずにまずは始めてみることです! MT4の設定がどれくらいの難易度なのか、EAの運用がもたらすメンタルの影響はいかほどかなど、実際に体験してみないと分からないことがたくさんあります。私が知っている勝ち組トレーダーは、皆さん驚くほど行動が早い。とりあえず何か一つ、EAを動かしてみると良いでしょう。初期コストは安い方が良いので、無料のEAを試すのもアリだと思います。

操作方法や設定は、検索すれば十分な情報が出てきます。TwitterでEAについて発信している人をフォローすれば、リアルな収支や運用の工夫、設定などの情報にも触れられます。猛者たちの発信から学べることは非常に多いです。実際の収支を出している人も多いので、そういう方々の喜怒哀楽や阿鼻叫喚を見ていると、運用を続けて資金が増えていったあとのご自身をイメージできて楽しいかもしれません(笑)。

ただし、Twitterには初心者を喰い物にする詐欺師も紛れ込んでいるので、引っかからないように注意しましょう。無料のEAを配布して集客し、LINE誘導後にナンピンマーチン型の粗悪EAを勧めてくる手口には注意が必要です。そういった連中は十中八九、IBというpipsバック狙いです。

─資金面での注意点はありますか?

初めから大金を投じないことが重要です。データ上の損益と、実際に運用するときの心理的負担は全く違うので。少額資金、小ロットで始め、徐々に大きくしていくのが望ましいですね。

あとはEAを買いすぎるのも駄目です。EAを買うこと自体が投資なので、自分の証拠金と照らし合わせて、どのくらいの期間でEAの購入額をペイできるかを計算しながら、一つずつ購入していきましょう。

─最後に何かあれば。

そうですね…、人と自分を比べるのはやめましょう! SNSでは日々大勝ちツイートが流れてきますが、「他人は他人、自分は自分」です。上には上がいるので、比較してもキリがありません。面白いもので、同じEAを運用しても成績は変わってきます。それはプログラムにバグがあるからではなく、人間が動かしているからです。平常心を保ちながら、自分の運用スタイルを貫いていきましょう!

色々と偉そうに語ってしまいましたが、私もまだまだ道半ばです。一緒に明るい未来を目指して頑張りましょう!

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