今回はユニ・チャーム<8113>を解説します。ユニ・チャームは超立体マスクやオムツ、ペット用品を取り扱う日用品メーカーです。高利益率、成長余地あり、上手な海外展開と魅力たっぷりの企業です。この10年間、株価も上昇し続けています。この記事では、「ユニ・チャームの成長要因は何か?」「どうしてこの先も成長できると思うのか?」「投資するならどのタイミングか?」について解説していきます。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』佐々木悠)
プロフィール:佐々木悠(ささき はるか)
1996年、宮城県生まれ。東北学院高校、東京理科大学経営学部卒業。協同組織金融機関へ入社後、1級ファイナンシャル・プランニング技能士を取得。前職では投資信託を用いた資産形成提案や多重債務者への債務整理業務に従事。2022年につばめ投資顧問へ入社。
高い営業利益率を誇る優良企業
まず、ユニ・チャームはどのような会社なのでしょうか?
主力となる技術は、「紙で水分を吸収する」技術。つまり不織布・吸収体の加工・成形分野で培ってきた技術を活かして、さまざまな世代に向けた商品やサービスを展開している企業です。
事業内容は対人向けのパーソナルケア事業(ウェルネス・フェミニン・ベビー)とペット向けのペットケア事業に分かれています。
では、どんな商品を扱っているのでしょうか?
<ウェルネスケア>
大人用オムツのライフリー、尿もれ吸水ケアのチャームナップ、業務用メディカルマスクで培った技術を応用し市販化した不織布立体型マスクの『超立体マスク』などを製造。
<フェミニンケア>
生理用ナプキン『ソフィ』などを取り扱う。多様化・高度化する女性のニーズに応えるため、使用するシーン別・厚さ別・素材別・長さ別ときめ細かい品揃えが魅力である。
<ベビーケア>
赤ちゃん向けオムツ等を取り扱う。『ムーニー』はモレない・ムレない・肌にやさしいなど品質や赤ちゃんの成長段階に適した機能を持ったこだわりのおむつ。キャラクターをプリントしたおむつの『マミーポコ』なども取り扱う。
<ペットケア>
ペットフード・ペット用排泄シート、システムトイレ、ペット用おむつなどを提供する。ペットと人の暮らしを健康面でも衛生面でも快適に過ごしてほしいとの思いがある。
そして、ユニ・チャームの大きな特徴は「高い営業利益率」です。
業績推移を見てみると、近年は営業利益率15%前後を維持。これは同じ日用品メーカーの花王やライオンと比較しても、頭ひとつ抜けています。
類似企業の中でこれだけ営業利益率に差が出ることは珍しいことです。
では、なぜこの高い営業利益率を維持できるのでしょうか?
それは、しっかりと値上げを行っているからです。