超電導リニアの技術は大きなイノベーションである。三大都市圏は相互に約1時間で結ばれれば、生産性の向上はより加速して、その経済的効果は計り知れないものになる。それを中国かぶれの静岡県知事である川勝平太ひとりに反対されていたことに日本の悲劇がある。(『 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編 』)
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。
リニア開通を遅らせ続けてきた川勝平太知事の辞任
静岡県の知事である川勝平太が「県庁はシンクタンク。毎日毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりとかと違い、基本的に皆さんは頭脳、知性の高い方」と、現場で働く人々を見くだすような発言をして大批判を浴びた。
この知事は以前から「県議会にはヤクザ、ゴロツキが多い」とか「顔のきれいな子は、賢いことを言わないときれいに見えない」とか、「御殿場市はコシヒカリしかない。ただ飯だけ食って、それで農業だと思っている」とか、とにかく暴言・失言のオンパレードだった。
さすがに、今回の職業差別的な発言には日本中があきれ果てて大炎上し、とうとう2024年4月2日には突如として辞職を表明することになった。
ただ、この辞任に関して、日本国民をさらに激怒させたのは、辞任の理由に「リニアの問題が大きな区切りを迎えた」と、関係ないことを突如として述べたことだった。
この知事はリニア開業にも「静岡県には何のメリットもない」と県内のトンネル工事のスタートに待ったをかけ続けて工事を遅らせ、JR東海が当初計画していた2027年の名古屋-東京間の開業を断念させていた。
リニア中央新幹線は東京と名古屋をわずか40分で結ぶ国家プロジェクトである。この知事ひとりがそれをぶち壊していた。この知事はあたかもそれを誇るかのように「大きな区切り」と述べているのだから、ここでもまた炎上している。
ただ、川勝平太は静岡県民が選挙で選んだ知事であり、知事に期待していたのは「リニア問題」であったのは留意する必要がある。日本国民はリニア開通を心待ちにしているのだが、静岡県民はそうではないという複雑な事情がある。
国家主席・習近平を礼賛していた川勝平太
静岡県民が憂慮していたのは、川勝平太が主張する「下流域の利水に支障があり、県民の生死にかかわる」という点であった。「大井川は毎年のように水不足で悩まされている」と川勝平太は主張していた。
それに対して、県企業局は真っ向から反論しており「大井川広域水道が水不足に悩まされたことはない。給水に十分な余裕がある」と説明した。
そうすると川勝平太は「南アルプスは62万人の命の水を育む。命の水を守らなければならない」と言い出した。実はそれも川勝平太の虚偽であり、影響を受けるのは26万人であり、その26万人にしても「給水に十分な余裕がある」ので問題ないというのが事実であった。
環境保全を理由に川勝平太を支持していたNPO団体の記者ですらも、川勝平太の「命の水」の主張がおかしいことを『知事失格』という書籍で糾弾している。
要するに、川勝平太は嘘でも何でも科学的根拠の薄いことを主張して、それを静岡県民に吹聴し、「静岡県には何のメリットもない」といって、ひたすら工事を遅らせていただけだった。
日本が技術躍進をするのを憎むかのように国家プロジェクトを拒絶する川勝平太を見て「まるで中国に命じられて反対しているかのようだ」と噂する人も多かった。
なぜ、こんな噂が飛び交ったのかというと、川勝平太は中国に対する心酔をまるで隠そうともしなかったほどバリバリの親中派であったからである。