天才投資家ジム・ロジャーズ氏が日本の未来に警鐘を鳴らしています。「日本にとって五輪は借金だけが膨らみ、最後はその弊害にむしばまれる」と断言するのです。(『花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』花輪陽子)
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外資系投資銀行を経てFPに。2015年からシンガポールに移住。ジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』(講談社+α新書)をインタビュー監修。『シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」「有吉ゼミ」などテレビ出演や講演経験も多数。
日本は終了?「五輪が国家にとってお金儲けになった例はない」
東京五輪は日本を救わない
ジム・ロジャーズ著『日本への警告』(講談社+α新書) の監修をするために、私はシンガポールにあるロジャーズ氏の自宅を訪ねてインタビューをしました。
その際に繰り返し教えてくれた哲学として、「危機」というキーワードがありました。
ロジャーズ氏は「オリンピックがあるからといって、その国の株を買ったり売ったりする材料にはならない」と言います。
日本にとって五輪は借金だけが膨らみ、最後はその弊害にむしばまれると断言するのです。
「日本では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向かって景気が上昇すると考えている人もいる。確かに、表向きにはオリンピックによるいい面もあるだろう。道路は改善され、真新しいスタジアムができあがる。こうした事業に関わった人たちは一定の恩恵を受けられるかもしれない。政治家も、ポジティブな成果をアピールするだろう。
しかし、歴史を見れば、オリンピックが国家にとってお金儲けになった例がないことがわかる。一部の人に短期的な収入をもたらすことはあっても、国全体を救うことにはならず、むしろ弊害を及ぼす」
不動産への影響は?
私も「オリンピックに向けて不動産を買うべきか、あるいは売るべきか」と、よく聞かれます。しかし、不動産も株もオリンピックという材料は一過性のものに過ぎません。
不動産はデベロッパーが建設をしているときとのタイムラグがあるために、オリンピックが終わってすぐに一等地が安くなるということも起こりにくいのです。
タワーマンションなどが建設され続ける地域は値崩れが起きるかもしれませんが、東京オリンピックが終わったからというわけではなく、供給過剰という理由が一番大きいでしょう。
一過性のイベントでどうこう考えるよりも、その地域の需給バランスをしっかりと見極めることが不動産投資で勝つ上では重要なのです。
ジム・ロジャーズ「オリンピックのせいで日本の借金はさらに膨らむ」
「結局のところ、オリンピックのせいで日本の借金はさらに膨らむのだ。これは一般の人々にとって悪い結果にしかならない。
やがてオリンピックが2020年に東京で開かれたことを、ほんの一握りの人しか思い出せなくなった頃に、オリンピックがもたらした弊害が日本をむしばむ」
それでは、日本はもうおしまいなのでしょうか?
国がピンチに陥っても、個人は投資やビジネスで成功することはもちろん可能です。