安い時に買えば、失敗してもダメージは少ない
アジアの富裕層は、リーマン・ショック級の大暴落を待ち構えています。
強気(ブル)相場の今は、キャッシュポジションを高めています。大暴落時に備えて、株、不動産、会社などを安く買うためです。
ロジャーズ氏はこう説明します。
「安く買うことのメリットは、たとえ予想が外れたとしても大損をすることはない点にもある。今、政情不安が続くベネズエラに投資をするのであれば、おそらく一文なしになるほどの損害を受けることはない。すでに悲惨な状態で、相当安くなっているのだから」
高いときに買えば、もし半値になったりするとリスクは大きくなりますが、十分に安いときに買えば、半値に下がったとしても大きな損害を負いにくいのです。
例えば、不動産でも新築の現物不動産に投資をする場合、広告費などで10%以上は上乗せされているのでコストを上回るリターンを出すのはなかなか大変です。
しかし、デベロッパーの開発案件や競売物件に投資をする場合、十分に低い価格で購入をしているので、損をする確率はかなり下げることができます。
大きく上がるものを安く買う方法は?
投資家として一番重要なことは「負けないこと」です。
ただし、ただ単に安いだけで「上がらないもの」を買っても意味がありません。大きく上がるものを安く買うには、どうすればいいのでしょうか。
「将来性を測るには、大きな視点で変化をつかまなくてはならない。そこで探るべきものが、変化の『触媒』だ。投資家は、割安株を暴騰させる『触媒』を探すことが重要だ。北朝鮮であれば、金正恩の存在が『触媒』になるだろうし、ロシアのプーチンによる極東開発もそうだろう」
自分が他人より精通する分野で株式投資をするなら、「触媒」にいち早く気づくことができます。
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