子どもにお金や投資の話をするには、ひと工夫が必要です。どうやって教えれば理解しやすいのか。そのコツを伝授します。(『億の近道』遠藤功二)
日本FP協会認定CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)、MBA(経営学修士)。大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当したが、組織のしがらみで顧客中心のサービスが提供できず、雇われFPとして働くことに限界を感じる。しかし、収入が途絶えることの恐怖から簡単には、会社から踏み出すことができず、ストレスを貯める日々を送る。FP資格やMBAをとっても、会社にお金で縛られていたら何もできない。「お金のためだけに働くつまらない生き方を他の人たちにはさせたくない。」という志を持ち、お金が原因で不幸になる人を少しでも減らすべく、教育特化のFPとして奔走中。
子どもは「体験」でお金の概念を理解する
私は、セミナーなどでお金や投資について、小・中学生にお話しする機会があります。
私たち大人にとってはお金の話は興味深いですが、子どもたちにとっては退屈だったり、難しく感じたりするものです。
子どもにお金のことを伝える際には、体験をもって教えるのが一番です。
例えば、10円玉が10個で100円という話をする場合、数字だけで説明すると、子どもにとっては退屈なものです。
子どもがお手伝いをした時などに10円ずつお駄賃をあげて、10個貯まったら100円に両替してあげる。こういうことをするだけで、子どもはお金の概念を理解し始めます。
「10円玉10個」と「100円玉1個」が同じ価値である不思議
10円玉10個と100円玉では、数は10円玉10個の方が多いのに、価値は100円玉と同じ。このことは、よく考えると不思議なものです。
このような、お金の不思議なルールに対して子どもが興味を持ち始めると、お金の教育は楽になります。
興味を持っている子は理解も早いからです。
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柿の実をどう増やす?投資は「例え話」で教えると理解しやすい
小学校高学年以上の子には、お金を増やす「投資」についても教えても良いでしょう。
しかし、大人に話すように説明しても、なかなか理解するのは難しいものです。
私は投資の概念を伝える時に、「柿」の話をします。「柿の実を増やすためには、どうしたらよいでしょう」という、クイズを出すのです。
答えは、「柿の種を埋めて実らせ、収穫する」ということです。
柿の木が実を実らせるまでには8年程度がかかるそうです。投資も長期投資が原則です。
子どもに投資の話をする際には、「投資はお金を増やすことを目的とする行為だけど、すぐに儲かるものではありません。根気強く続けることが大事です」と伝えています。
ここ数年、株式投資をすれば簡単に儲かる相場になっていますが、過去を振り返ると、いつもそのような時代だったわけではありません。
痛い目と良い目を両方味わって初めてまとまった投資の利益が得られるのだと、子どもたちには理解していただきたいと思っています。
『億の近道』(2021年10月14日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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