マネーボイス メニュー

日経平均は反落、変異株や米金融政策を巡る不透明感から失速

日経平均は反落。前日の米株式市場でNYダウは大幅続落。ワクチンの有効性を示唆する報道を受けて上昇して始まった。しかし、量的緩和縮小(テーパリング)の加速懸念から上げ幅を縮小。引けにかけては、米国内で初のオミクロン株感染者が確認されたことで、大きく下落に転換。ハイテク株にも売りが広がり、ナスダック総合指数も大幅に続落。米株安の流れを引き継ぎ、日経平均は219.42円安でスタート。値ごろ感からの押し目買いが入り、一時はプラス圏に浮上する場面も見られた。しかし、時間外の米株価指数先物の上昇が下支えする一方、変異株や米金融政策を巡る不透明感を背景とした戻り待ちの売りも強く、その後はマイナス圏での一進一退が続いた。

 大引けの日経平均は前日比182.25円安の27753.37円となった。東証1部の売買高は13億4849万株、売買代金は3兆1477億円だった。セクターでは鉱業、空運業、精密機器などが下落率上位に並んだ一方、海運業、電気・ガス業、ゴム製品などが上昇率上位に並んだ。東証1部の値下がり銘柄は全体の65%、対して値上がり銘柄は30%となった。

 個別では、米国での金融引き締めや米中摩擦への懸念からソフトバンクGが5%超の下落。レーザーテック、ソニーG、村田製、HOYA、マネックスG、太陽誘電、アドバンテスト、エムスリーなどのハイテク株やグロース株の下げが目立った。また、国土交通省による国際線の新規予約停止要請が伝わったことでJAL、エイチ・アイ・エス、エアトリなどの旅行関連から、JR東日本やJR東海などの陸運株が大きく売られた。決算が懸念払しょくに繋がらなかった伊藤園、前日開催の経営方針説明会が物足りないとされた三菱ケミHDは急落。

 一方、外資証券による目標株価の大幅引き上げを受け、郵船、商船三井、川崎汽船の海運株が軒並み急伸。三菱UFJ、三井住友、東京海上HDなど金融株が上昇し、任天堂、リクルートHD、キーエンス、ダイキンなども買われた。資生堂、花王、7&I-HD、アステラス製薬、中外製薬などのディフェンシブ銘柄も上昇したものが散見された。大規模な自社株買いを発表したアドウェイズが急伸し、商品価格の改定実施を発表した日本ハム、証券会社の投資判断格上げや目標株価引き上げが材料視された東京ガス、カシオ、日本ケミコンなどが大きく上昇した。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。