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年会費66万円!? 最高峰クレカ「ブラック・ダイヤモンド」を持ってわかった豪華特典と魔力=岩田昭男

世の中インフレ気味といわれますが、いま一番値上がりしているのは、高級カードの年会費ではないでしょうか。先月11月に登場したラグジュアリーカード「ブラック・ダイヤモンド」カードは、年会費が超高額なことで注目を浴びています。年会費66万円と聞いた時には耳を疑いました。いったいどんなカードなのか、解説していきましょう。(『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』岩田昭男)

※本記事は有料メルマガ『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』2021年12月1日の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:岩田昭男(いわたあきお)
消費生活評論家。1952年生まれ。早稲田大学卒業。月刊誌記者などを経て独立。クレジットカード研究歴30年。電子マネー、デビットカード、共通ポイントなどにも詳しい。著書に「Suica一人勝ちの秘密」「信用力格差社会」「O2Oの衝撃」など。

日本上陸5周年を記念して発行

クレジットカードにはいろいろな種類があります。

多くの人が憧れるのが、ゴールドカードやプラチナカードといったワンランク上のカードです。年会費はゴールドカードで1万円から3万円、プラチナカードで5万円から10万円が相場でしょう。

そうしたカードは、ステータスや信用度が高くないと持てないので、特典もそれなりに充実したものが用意されています。

さらに、最近はその上のステータスカードが出てきました。特にこの11月に登場したラグジュアリーカード「ブラック・ダイヤモンド」カードは、年会費が超高額なことで注目を浴びています。

いったいどんなカードなのか、解説していきましょう。

ラグジュアリーカードは米国生まれで、ゴールドカードやブラックカードなどのステータスカードを中心に展開するカード会社です。日本に上陸して今年で5周年になるので、それを記念してこの「ブラック・ダイヤモンド」カードが発行されました。

「入会金110万円+年会費66万円」のおばけカード

このカードのどこがスゴイかというと、なんといっても年会費が高いことでしょう。

年会費は66万円(税込)です。それに入会金が110万円(税込)かかりますから、初年度で合計176万円(税込)も必要なわけで、これは大変です。

ですから、誰でも持てるわけではありません。選ばれた(招待された)人だけが持てるのです。

このカードを持とうと思ったら、まずはラグジュアリーカードの下位のチタンカード、ブラックカード、ゴールドカードのいずれかを持ってクレジットヒストリーを磨いてください。

そして、十分な資格があると判定されたら、「ブラック・ダイヤモンド」カードの招待状が届きます。

Next: 実物を動画でご紹介!アメックス、ダイナースクラブとどう違う?



3つのステータスカードを比較

こうしたステータスカードを出しているカード会社は、日本では他に「アメリカン・エキスプレス(アメックス)」と「ダイナースクラブ」があります。

これにラグジュアリーカードを入れて、プレミアム御三家ですね。いちばん歴史があるのが、アメックスです。次がダイナースクラブカード、そして、3番目がラグジュアリーカードとなります。

それぞれが飛び抜けたステータスカードを1枚ずつ発行しています(いずれも招待制になっています)。

アメックスは「センチュリオン」という幻のカードです。アメックス本社は出しているとはっきり言いませんが、実物は出回っています。年会費は38万5,000円(税込)で入会金は55万円(税込み)の合計93万5,000円(税込)です。

ダイナースクラブカードは、「ロイヤルプレミアムカード」という名前で2021年から発行を始めています。年会費55万円(税込)で入会金も55万円(税込)の合計110万円(税込)です。

そこに今回、ラグジュアリーカードが合計176万円(税込)の「ブラック・ ダイヤモンドカードを出して割り込んできたのです。

新しいサービスで勝負をかける

ラグジュアリーカードは後発なので、とにかく新しいサービスに積極的です。

まず金属製(チタン)のカードを出して驚かせました。それからレストランの送迎にリムジンが使えるようにして喜ばれています。

こうしたユニークなサービスをいろいろ手がけてきました。その結果コロナ禍でも業績が伸び続けており、アクティブな個人事業主の絶大な支持を受けるまでになっています。

そして、今度はダイヤモンド入りのカードを出したわけです。

マットブラック(光沢を抑えた黒色)の券面に、天然ダイヤモンドを埋め込んだゴージャスなステータスカードでまた驚かせました。

Next: 15万円相当のギフトが年2回届く!絶大な支持を受けるサービスの中身



注目のサービスは何?

「ブラック・ダイヤモンド」カードのサービスの中で、このダイヤモンドは最も重要な要素といえます。

しかし、他にもいろいろと特筆すべきサービスはあります。

<マイル&ポイントのプレゼントと高い還元率>

招待を受けて入会すると、まず、以下の特典を受けられます。

・大手エアラインの国際線特典航空券、日本・ハワイ便往復ビジネスクラス相当のマイルを年1回プレゼントされます。マイルはそのまま特典航空券で使うこともできますが、ホテル宿泊に使ったり、国内航空へといろいろな使い道が可能です。

・GILTの目利き担当者からプレゼント。GILTとは、知る人ぞ知るニューヨーク発のファッションブランドサイト。その目利き担当者がカード会員を個別にヒアリングして、その人に合った究極のギフト(1回15万円相当)をセレクトして、年2回プレゼントしてくれます(15万円のプレゼントというのがすごいです)。

・年間500万円以上する会員制スパ&フィットネスの初期費用・保証金・年会費は不要。パークハイアット東京スパ&フィットネス施設を「クラブ オン ザ パーク」では、都度料金(5,500円)で毎週1回、特別メンバーとして利用できます。

・業界最高2.0%のポイント還元率。25万円利用ごとに1万1,000円分のワインクーポンに交換ができ、賞品還元率が最大4.4%になることもあります。また、1,000万円の納税や経費決済で20万円のキャッシュバックがあるなど、ポイント、マイル回りのサービスが充実しています。

・最高20万円相当のホテルギフトをプレゼント。国内外で利用できるマリオットギフトカードや東急ホテルズと提携した選べるホテルギフトが毎年プレゼントされます。

以上のような豪華なサービスがあります。しかし、これらのサービスを一緒になって吟味・整理してくれるのが、コンシェルジュの役割です。

そして、このコンシェルジュの存在が旅行や出張の成否を左右します。

<熟練のコンシェルジュチームが強力にサポート>

コンシェルジュというと一般には、1人の顧客に対して1人のコンシェルジュしか付きませんが、ブラック・ダイヤモンドカードでは、熟練のコンシェルジュチーム(Black Diamond Assistant)がつきます。会員の利便性を考えて、チーム体制でより高い品質でパーソナルなサポートを行うとしています。顧客1人に1人のコンシェルジュでは24時間付き添うことは無理なため、不満の声が多く上がります。そこを改善しようと、チームを組んで24時間シームレスに面倒を見るようになりました。

<会員同士の限定コミュニティーに加入>

さらにラグジュアリーカードは会員同士のつながりを大切にしています。「ブラック・ダイヤモンド」会員同士や個人事業主を始めとする経営者同士が交流できる場を提供しています。

そこで様々なイベントを行ったり、ビジネスで協力できるアイディアを出し合ったりして、大いに盛り上がります。すでにビジネスでは、いくつかの成果が現れています。

Next: なぜダイヤモンドを付けたのか?担当者に聞いた狙い



なぜダイヤモンドを付けたのか?担当者に聞いた狙い

それにしても不思議なのが、なぜダイヤモンドだったのかです。

それを担当の人に聞きました。「これまでの最上位はゴールドカードの金属製でした。もっと上を行くには何が良いか考えたところ、ダイヤモンドという案が出たのです。金属の上位はどう考えてもダイヤモンドしかないという思いでした」(ラグジュアリーカード広報部)。

史上最強のクレジットカードと最強のダイヤモンドが結合して、世界最高峰のステータスカードが生まれたということです。

そして名前も「ブラック・ ダイヤモンド」ですから、こちらも端的でわかりやすい。

天然ダイヤモンドは職人の手作り

そして、このダイヤモンドがなかなかイケているのです。とにかくクラフトマンシップが横溢しています。天然ダイヤの輝きがさらに美しく増すようにカットして、磨き上げていますが、カード券面に載せるのに大きすぎてはいけないし、小さ過ぎてもいけない。その加減が難しいのです。

特に大きすぎるとATMに入れた時に問題が起きたりします。それを避けるために一個一個のダイヤモンドを職人たちが心を込めてカットし、磨き上げてハイジュエリーに匹敵する「純度」を獲得しているのです。

この作業に大変な時間がかかっていると言います。まさに手作りの逸品ということでしょう。

銀座ママをも魅了するブラックダイヤ

実際、今回の「ブラック・ ダイヤモンド」カードが出た後に、銀座のクラブのママにカードを持ってもらいました。

彼女はカードをかざしたり、ひっくり返してみていましたが、カードの左上隅に埋めてあるダイヤモンドがキラリと光ると、やっと見つけたという顔でにっこり笑いました。

なんといっても66万円という高額な年会費と、天然ダイヤの輝きを放つカードです。その光は女性たちの平常心を奪ってしまうようです。

それを「高貴な体験」と感じて安息を得たような素晴らしい表情を見せてくれるのですが、それがカード・オーナーの男性にとっては、女性を守っているという思いに代わって、変えがたい癒しの瞬間になっているようでした。

Next: 「いつかは“ブラック・ダイヤモンド”カード」という夢がふくらむ



若い人にとって、いつかは持ちたい目標になるカード

「ブラック・ダイヤモンド」カードの魅力は、マイルやホテルギフトなど、カード会員が多様な選択肢の中から自分好みのサービスを選べるところでしょう。

毎年提供されるマイルやホテルギフトを1人で楽しんだり、家族で楽しんだりできます。国内に行ったり、海外に行ったり、また、豪華ホテルに滞在したり、静かな自然の中で質素なコテージに逗留したりと、いろいろな使い方が楽しめます。

形にはまらない生き方を求める人のための、新しいカードということができるでしょう。

特に若い人にとっては「ブラック・ダイヤモンド」カードのような、ユニークなカードは人生の目標とすべきカードといえます。50歳か60歳になったときにこのカードを持っていると、人生の後半戦になって新しい選択肢を提供してくれるかもしれません。

そうした可能性を持つカードが出てきたということは、非常に喜ばしいことではないでしょうか。これからのカードライフを有意義に過ごすことができるようになりそうで、大いに期待が持てます。

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image by: Pixpan_creative / Shutterstock.com

達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』(2021年12月1日号)より一部抜粋・再構成
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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世の中すっかりカード社会になりましたが、知っているようで知らないのがクレジットカードの世界。とくにゴールドカードやプラチナカードなどの情報はベールに包まれたままですから、なかなかリーチできません。また、最近は電子マネーや共通ポイントも勢いがあり、それらが複雑に絡み合いますから、こちらの知識も必要になってきました。私は30年にわたってクレジットカードの動向をウォッチしてきました。その体験と知識を総動員して、このメルマガで読者の疑問、質問に答えていこうと思います。ポイントの三重取り、プラチナカード入会の近道、いま一番旬のカードを教えて、などカードに関する疑問にできるだけお答えします。

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