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各国のタカ派転換や中国の景気減速懸念が重荷【クロージング】

20日の日経平均は大幅続落。607.87円安の27937.81円(出来高概算11億4000万株)と6日以来2週間ぶりに28000円を割り込んで取引を終えた。新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」の欧米での感染拡大を背景に、再び経済活動が停滞し世界経済全体への悪影響が警戒されるなどリスク回避の動きが強まった。また、中国が利下げを実施したことが中国景気の減速懸念につながったことも投資家心理を悪化させた。これにより日経平均は下落幅を広げており、一時27893.18円まで下げ幅を広げる場面が見られた。

東証1部の騰落銘柄は値下がり銘柄が2000を超え、ほぼ全面安の展開となった。セクター別では33業種すべてが下落し、証券商品先物、鉱業、ゴム製品が4%を超える下げとなったほか、非鉄金属などの下げが目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、エムスリー、トレンド、任天堂、花王、アステラス薬がしっかりだった半面、東エレク、ファーストリテ、ダイキン、ソフトバンクG、ファナックが下落し、この5銘柄で日経平均を200円超押し下げた。

欧米での「オミクロン株」の感染拡大による行動規制の強化に伴う世界経済の再停滞懸念や欧米の中央銀行による金融緩和政策の縮小に前向きな姿勢が、株式からの資金逃避への警戒感につながった。また、バイデン米大統領が進める約2兆ドル規模の大型歳出法案について、民主党議員が不支持を表明したため、米経済の先行き懸念から時間外での米株先物が下落したことも嫌気された。ヘッジファンドなどの短期筋が株価指数先物に仕掛け的な売りを出したことが響いたようだ。

日経平均は先週末にも520円下げており、「オミクロン株」の感染拡大に伴う経済活動の再停滞へ警戒感や欧米諸国による利上げもある程度織り込まれており、「日本株は先んじて調整しており、割安感は強く、仮にもう一段下落しても27500円近辺ではないか」、「各国が利上げに動いたとしても、高利回りの代替商品がないだけに、株式への資金流入は続く」などとの指摘が聞かれる。もっとも、クリスマス明けまでは海外勢の資金流入は期待しづらく、28000円水準での攻防が続きそうだ。

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