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日経平均は3日ぶりに反発、グロースへの警戒感継続

 日経平均は3日ぶりに反発。194.26円高の28318.54円(出来高概算5億4688万株)で前場の取引を終えている。

 14日の米株式市場でNYダウは201.81ドル安(-0.55%)と続落。12月小売売上高や1月ミシガン大学消費者信頼感指数が予想を下回ったことで景気回復期待が後退。JPモルガンの決算を受けた金融の下げも影響し終日軟調に推移。一方、ハイテクには値ごろ感からの買いが入り、ナスダック総合指数は引けにかけて上昇に転じ反発、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は+2.32%と大幅に反発した。米ハイテク株高を支援要因に自律反発狙いの買いも入るなか、週明けの日経平均は208.44円高でスタート。前場中ごろには一時28449.99(+325.71円)まで上値を伸ばしたが、その後は戻り待ちの売りから失速すると、前引けにかけて上げ幅を縮めた。なお、午前に発表された中国の経済指標は、小売売上高が市場予想を大きく下振れた一方で鉱工業生産は予想を上回ったが、市場の反応は限定的だった。

 個別では、東エレクやアドバンテスト、ルネサスなどの半導体関連が買われた。米長期金利の上昇や円高・ドル安進行の一服を背景に三菱UFJ、トヨタ自、ホンダ、デンソーも堅調。また、原油先物価格などの上昇を刺激材料にINPEXが大幅高となり、三井物産や丸紅、日本製鉄なども上昇。好決算や業績上方修正で押し目買いが活発化したSHIFTとベイカレントがそれぞれ急伸。一方、川崎汽船を筆頭に海運業のほか、SUMCO、日ペHD、SMC、エムスリーなどが軟調。月次売上動向が嫌気されたスノーピークや7-9月期最終損益が赤字となったアウトソーシング、第3四半期営業減益が嫌気された古野電気などはそれぞれ急落。

 セクターでは鉱業、ゴム製品、精密機器などが上昇率上位となっている一方、海運業、保険業、金属製品などが下落率上位となった。東証1部の値上がり銘柄は全体の45%、対して値下がり銘柄は49%となっている。

 一時300円超まで上げ幅を広げた日経平均は前引けにかけて大きく失速。下向きの25日移動平均線が上値抵抗線となっており、日足ローソク足で付けた長めの上ヒゲですら同線に遠く及ばない格好となっており、上値の重さが強く印象付けられる。

 先週末の米国市場では、13日に1.70%まで低下していた米10年国債利回りが1.79%へと再び大きく上昇している中でもハイテク・グロース株に押し目買い入ったことで、買い戻しも入りやすいかと思われたが、来週25~26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えるなか、警戒感は依然かなりくすぶっているようだ。個別では、半導体関連の一部に買いが入っている一方で、資源関連株などの景気敏感・バリュー(割安)株への買いの方が本日も目立っており、こうした物色動向からもまだグロースへの懸念は根強い様子。

 特に、今日も下落しているマザーズ指数が気掛かりだ。ナスダック総合指数が反発しても下落が止まらないところから深刻さが窺える。プライム市場への変更申請をしたメルカリは久々に上昇しているものの、BASE、JTOWER、HENNGE、ビジョナル、Appierなど時価総額上位銘柄の下落ぶりが依然として目立つ。その他も全般として軟調な銘柄が多く、下落局面でも買い向かっていた個人投資家の含み損益は相当に悪化しているようで、本格的な持ち直しにはかなり時間がかかりそうだ。

 後場の日経平均は5日移動平均線が位置する28380円近辺でのもみ合いが続きそうだ。朝方の買い戻しが一巡し、今晩の米国市場がキング牧師誕生記念日で休場となるなか、手掛かり材料難で買い戻しが再度強まる可能性は低そうだ。アジア市況もまちまちで方向感は出にくいだろう。

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