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相場急変で「レバナス民」が夢の跡。長期保有に向かない“博打”商品に賭ける危険性=川畑明美

NASDAQ100指数に連動する投資信託「レバナス」が、SNSを中心に大きな話題になっています。毎月3万円の積立投資で、20年後には1億9,700万円になるとの試算も。この商品に賭けて大丈夫なのでしょうか?(『教育貧困にならないために』川畑明美)

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プロフィール:川畑明美(かわばた あけみ)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。

SNSで話題のレバナスとは

SNSなどで「レバナス」という金融商品が話題になっているようですね。

「レバナス」とは、何でしょう?

「レバレッジ」をかけた「NASDAQ-100指数」の値動きを目指す投資信託で、その愛称が「レバナス」です。米国のNASDAQ-100指数の値動きに対して、2倍になることを目指す投資信託となっています。

NASDAQ(ナスダック)とは、ハイテク・ITといった成長性の高いセクターの新興銘柄が多数上場する米国の株式市場のことです。

そしてNASDAQ-100指数は、NASDAQに上場する約3,000銘柄のうち、金融関連の銘柄を除いた時価総額の大きい上位100銘柄の平均株価指数です。

NASDAQ-100指数の主な構成銘柄は、アップル・マイクロソフト・アルファベット((グーグル運営)・アマゾン・メタ(旧Facebook)・テスラ・エヌビディアなどなど、革新的な技術や優れたビジネスモデルの企業が多く存在しています。

その魅力的な企業が存在する「NASDAQ-100指数」の2倍になることから、指数が上昇を続けていれば高いリターンが期待できます。

レバナスは「ハイリターン・ハイリスク」

もちろんデメリットはあります。

レバナスのリターンが大きいのは、レバレッジをかけた運用になっているからです。レバレッジとは、少ない資金で大きなリスクが取れる「てこ」のことです。

レバレッジのかかった金融資産の運用は初心者には難しいでしょう。

レバレッジをかけている分、上昇時はリターンが高いのですが、下落時にも大きく働きます。つまり、下落幅も大きいということです。

Next: 「レバナス民」は生き残れるか?長期保有には向かない商品だが…



「レバナス民」は生き残れるか?

レバレッジをかけた金融商品は、長期間保有すると効率的な運用ができないという構造上の問題もあります。保有は、基本的に短期に活用するものです。

SNS上ではレバナスを運用している方を「レバナス民」と呼んでいるようです。

販売ページには、毎月3万円を20年間「積立投資」すると、元本720万円が1億9,700万円と27倍に増加するシミュレーションが掲載されています。

しかし、それを妄信してはいけません。

そもそも長期の保有には向かない商品ですし、NASDAQ-100指数が下落したら損失も幅も大きくなるということです。

27倍に増えるのならば、27分の1に減ることもあるということです。

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image by:Lightspring / Shutterstock.com

教育貧困にならないために』(2022年1月31日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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