マネーボイス メニュー

From Wikimedia Commons

老化説も?追加緩和を見送った黒田日銀総裁の事情 3つの仮説=藤井まり子

4月28日の日銀政策決定会合で、日銀は「2%インフレ目標の達成時期」の予測を先送りした(2017年半ばから2017年末へ先送りした!)のに、追加の金融緩和策を撃たなかったことが、日本金融村と日本の経済学者の間の「七不思議」になっております。(『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』藤井まり子)

なぜ追加緩和策を撃たなかったのか?原因とされる3つの説

黒田総裁「元財務官僚」と「通貨マフィア」の二面性

私のメルマガではかねてより、黒田日銀総裁には「二面性」が内在することをお伝えしてきました。元財務官僚としての黒田氏と、通貨マフィアとしての黒田氏です。この二面性が、黒田日銀総裁の行動をわかりにくくしています。

黒田日銀は記者会見であそこまで憔悴しきっていたのに、4月に追加の金融緩和策を撃たなかった。その理由として、日本金融村では、下記のようにいろいろな説が飛び通っています。

【関連】パナマ文書の記事一覧 歴史的なリークに揺れる政局・世界経済

その1. 「黒田総裁の老化」原因説

単純に、4月に東京で猛威を振るっていたインフルエンザにあの日の黒田日銀総裁も感染していて、体調が悪かった。加えて、マイナス金利導入への「根拠のない批判」が激しいので、黒田氏は疲れ果てて、何もかもがどうでもよくなっていた。

すなわち、「黒田総裁の老化」原因説です。

その2. 「元財務官僚としての黒田氏の本性が出てきてしまった」説

今の日本財務省の官僚たちは、首相官邸に、手を変え品を変えてボコボコニにいびり倒されています。首相官邸からは「消費税増税するする」詐欺の中で「消費税増税の先送り」メッセージが流され、「大規模財政出動」を強要されて、財務官僚たちは徒労感の中でしょげきっています。

元財務官僚で、大変な「あまのじゃく」として有名な黒田総裁は、日本の財務官僚たちに深く同情して、わざと安倍政権に嫌がらせするために追加の金融緩和策を見送ったかもしれません。

元財務官僚の黒田日銀総裁の「縄張り争いの中でのいじめ返し」説です。

会見では、この「いじめ返し」に対する「官邸によるいじめ返し(=将来の天下り先が劣化するかもしれない不安)」が怖くて憔悴していた?(説得力なし??)

Next: その3. 「通貨マフィアの一員としての任務の重さにびびった」説



その3. 「通貨マフィアの一員としての役目(ヘリマネ出動)」を決行する決心をしたものの、「任務の重さにびびった」説

前日に、アメリカから「事実上のヘリコプターマネー出動」を強要された黒田日銀は、将来IMFなどの国際機関への天下り先欲しさに、「近いうちの事実上のヘリマネ出動」の決心をした。

すなわち、黒田日銀は「伊勢志摩サミット」後、「日本財務省の大型財政出動と並行するかのように、日銀が追加の金融緩和策を発動して日本財務省を支援する」という「ヘリマネ(=赤裸々な財政ファイナンス)」の決心をした。

とはいえ、学者でなく、元財務官僚の黒田総裁自身は、「事実上のヘリマネ」(=財政ファイナンス宣言)にすっかり怖気づいてしまった。

つまり、「通貨マフィアの一員としての黒田総裁がヘリマネを覚悟した瞬間に怖気づいた」説です。

6月の日銀政策決定会合で、黒田総裁が「財政ファイナンス」という言葉を使うかどうかも要注意!あるいは、それに似通った表現を使うかどうかも要注意!「年後半の景気の持ち直し」を先取りして、日本株式市場は、そろそろ上昇気流に乗ることでしょう。ただし、買い上げる前に下げたい人が多かったら、乱高下します。

個人投資家の皆様におかれましては、右往左往しないで、でーんとしていてください。

【関連】「マイナス金利の効果を見極めていく」市場を敵に回した黒田総裁の詭弁=近藤駿介

藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』2016年5月9日号より一部抜粋、再構成

有料メルマガ好評配信中

藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート

[月額16,500円(税込)/月 毎月第1金曜日・第2金曜日・第3金曜日・第4金曜日(祝祭日・年末年始を除く)]
「マクロ金融・資産形成 de あそぼ♪」の筆者:藤井まり子が、金融資産3,000万円以上の読者に向けて送る「富裕層向けの資産形成のプレミアム・レポート」。第一メルマガ「~de あそぼ♪~」が、「結論と要約だけ知りたいし、具体的に何をしたらよいの教えてほしい」と熱望しておられる愛読者様に、是非ともお勧めです。この第二プレミアム・メルマガの購読者の方々は、ゴールド会員として、よりきめ細やかなアドバイスも、常時双方向で無料提供します♪年金不安なんか、ぶっ飛ばしましょう♪

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。