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18歳の意識調査「将来、日本は良くなる」はわずか9.6%。なぜ希望が持てない国になったか?=川畑明美

世界9カ国の若者を対象に実施した「18歳意識調査」で、日本はダントツで将来に希望を持っていないことがわかりました。昔より生活は豊かになっているのに、なぜこんな結果になってしまうのでしょうか。(『教育貧困にならないために』川畑明美)

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プロフィール:川畑明美(かわばた あけみ)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。

18歳の意識調査「将来、日本は良くなる」は1割以下

豊かで安全で教育水準も高い日本ですが、なぜか若者は将来に希望を持てない……。

そんな事実が、日本財団が世界9カ国で9,000人の若者を対象に実施した「18歳意識調査」で明らかになりました。
※参考:日本財団「18歳意識調査」第20回 テーマ:「国や社会に対する意識」(9カ国調査) – 日本財団(2019年11月30日配信)

日本の18歳は「将来、国が良くなる」と考えている人が1割以下なのです。

国の将来については、米国・英国・ドイツも「良くなる」と答える人は多くないので、先進国に共通の傾向ではありますが、日本は突出して低いのです。

親が「昔は良かった」なんてことを話していたら、なおさらこの傾向が高くなってしまいます。

昔よりも豊かになっている若者の生活

昔よりも確実に進学率は増えていますし、便利で豊かになっています。

例えば、大学への進学率は、1984年頃は25%程度でした。女性に限定したら13%程度とかなり低かったのです。ところが、現在は男女共に50%を超えています。

1980年代は、インターネットも携帯電話もありませんでした。バブル期よりも確実に生活は豊かになっているのです。

Next: 若者が希望を持てないのは、敷かれたレールがなくなったから?



成功のモデルケース「敷かれたレール」がなくなった

 

高い教育を受けて、豊かな時代を生きる若い世代が、なぜ日本という国が良くなると考えられないのでしょうか。

それは「敷かれたレール」がなくなったことにあるのかもしれません。

昔は、良い大学を出て良い会社に就職したら一生安泰みたいなレールがありました。ところが、インターネットやAIの普及で、このようなレールがなくなってしまったのです。

「自分で考える力」がないと豊かに暮らせない

そして現在、求められているのは「自分で考える力」です。

考える力というと、難しい問題を解かなければいけないと考えるかもしれません。それも必要かもしれませんが、私は日常生活でも「考える力」は、身に付くと思っています。

例えば、ペットボトルの水を買うにも自動販売機で買うか、スーパーで買うか、ネットでまとめ買いをするか。それぞれ金額は変わります。

この中でどの消費方法を選ぶのか、考える必要があります。

安ければいいというわけでもありません。自分にとって利便性が一番ならば、高くても価値はあります。

お金を上手に使うことは、考える力が十分に育つのです。

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image by:kei907 / Shutterstock.com

教育貧困にならないために』(2022年4月18日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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