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ハイテク株中心に買い先行も、中国経済の失速への警戒感から上値抑えられる【クロージング】

16日の日経平均は続伸。119.40円高の26547.05円(出来高概算15億株)で取引を終えた。前週末の米国市場でハイテク株中心に買い戻しの動きが強まった流れを映して、半導体や電子部品などグロース株中心に買い先行で始まり、開始直後には一時26836.96円まで上げ幅を拡大させた。また、好決算や自社株買いなど個別に好材料のある銘柄にも資金流入が続いた。ただ、中国がこの日発表した4月の鉱工業生産は前年同月比2.9%減で事前予想の0.5%増を大きく下回ったことをきっかけに利食いの動きが強まり、前引け間際には26438.61円まで上げ幅を縮めた。ただし、利食い一巡後はこう着ながらも26500円辺りでの底堅い値動きが続いた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1100を超え、全体の6割超を占めた。セクターでは、倉庫運輸、サービス、情報通信、機械など8業種が上昇した。一方、非鉄金属、鉄鋼、その他金融、卸売、精密機器、ガラス土石、保険など25業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ、KDDI、NTTデータ、ソフトバンクG、リクルートHDが堅調だった半面、オリンパス、ホンダ、ネクソン、ヤマハ発、日清粉Gが軟化した。

前週末の米国市場は、ナスダック指数は4%近く、SOX指数は5%超上昇した。この流れを引き継ぎ、東京市場でも買い先行でスタート。ソフトバンクGやファーストリテなど指数寄与度の大きい銘柄も値を上げ、投資マインドの好転につながった。一方、中国景気の減速への懸念から日本製鉄、三井物など景気敏感株の一角には値を消す銘柄が目立ったほか、今期業績予想が市場予想を下回るホンダが4%超下落した。また、時間外取引での米株先物が軟調なことも次第に買い手控え要因につながったとみられる。

日経平均は25日線水準を上回って終了できなかったが、いったんは跳ね返される水準でもあり、上値の重さはそれ程嫌気されることはなさそうだ。今後投資家の視点は、マクロ経済指標の動向に向かうとの見方が多い。こうしたなか、関係者の一部には「米株の失速および中国景気の底入れを見越して日本株を相対的に見直す向きが増加しつつある」との声も聞かれる。欧米市場などと比べ相対的に割安感のある日本株への資金シフトが期待されるところだ。

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