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複利で大損する日本人。なぜ住宅ローンは30年も組むのに、投資のリターンはすぐに求めるのか?=川畑明美

住宅を購入するのに30年ローンを組む…これは皆が当たり前にやっていることです。それが投資となると、5年程度の短い期間で結果を求めてしまいがち。本来はローンは短く、投資は長くすることが有効で、複利の恩恵を受けられます。(『教育貧困にならないために』川畑明美)

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プロフィール:川畑明美(かわばた あけみ)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。

いま「5年後に使うお金」を投資で増やしたい?

「5年後に使うお金を投資したい」とのご相談を受けることがあります。

5年後にお金を使うとしても、投資は長期で考えて欲しいと思います。特に投資信託を一定額積立で購入する場合は、長期間運用しないと複利の効果が得られません。

5年後に運用している資金の一部を使うのは良いのですが、10年・20年と積立は続けて欲しいのです。

できれば年金生活に入るまで、ずっと続けることが大事だと思っています。

複利の効果は年数が長くなれば長いほど増える

複利の効果は、年数が長くなれば長いほど増えていきます。

5年間、毎月3万円を投資信託で積立した場合、平均リターンを7%で計算すると約214万円になります。元本は180万円です。

ところが、これを20年続けると、約1,562万円まで増えるのです。元本は720万円です。

たった5年では、効果が少ないのです。

Next: 住宅ローンは長期で借りるのに、投資は短期で結果を求める本末転倒



住宅ローンも複利

複利とは、運用から生じた配当を再び投資して継続的に運用をすることで、利息が利息を生んでふくらんでいくのです。

ちなみに、住宅ローンも複利です。複利で借りたお金が増えてしまうので、早く返済したほうが余分な利子を支払う必要はなくなります。

住宅ローンは長期で借りるのに、資産運用は5年で結果を求めるというのは、本末転倒でしょう。

以前、マイホームを売却した時に金利の計算をしましたが、11年間、月平均すると5万5,000円も金利を支払っていたのです。

住宅ローンの金利は、1%前後ですから、大きな金額ほど利子も大きいのです。

5年後に大きなお金を使うとしたら、節約を徹底して1円でも多く投資に回して、投資できる資金を増やし、使った後もずっと積立は続けるとよいですね。

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image by:polkadot_photo / Shutterstock.com

教育貧困にならないために』(2022年5月15日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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