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高千穂交易 Research Memo(3):システムとデバイスに加え、クラウドサービス&サポートが第3の柱に(1)

■事業概要

1. 事業概要
高千穂交易の事業セグメントは、2022年3月期まではシステムとデバイスに分けられており、各セグメントの売上高は、システム事業12,011百万円(2022年3月期売上高比率57.8%)、デバイス事業8,773百万円(同42.2%)となっている。なお、2023年3月期からは、それまでシステム事業に組み込まれていた「サービス&サポート」を切り出して、新たに「クラウドサービス&サポート」セグメントとし、3セグメントで構成される。

以下は各セグメント及びサブセグメントの概要である。

2. システム事業
(1) リテールソリューション(2022年3月期システム事業売上高に占める比率31.0%)
商品監視システム・映像監視システム(監視カメラ・監視映像記録装置)・セキュリティタグ等のセキュリティ機器及び入店カウンターなど販売支援や省人化対策を目的とした店舗管理機器のシステム設計・販売、設置、システム全般の運用支援サービスなどを行っており、ショッピングセンターなどの大型店舗からドラッグストアなどの小型店舗に至る小売・流通業全般の幅広い顧客層に販売している。

グループ会社のマイティキューブ(株)は、商品監視用自鳴式タグシステムの開発及び販売を行っており、ホームセンターや家電量販店を中心に幅広い顧客層と取引している。

(2) オフィスソリューション(同27.0%)
入退室管理システムやネットワーク関連機器(クラウド型無線LANシステム等)及び商品監視・映像監視等のセキュリティに関するコンサルティングやシステム設計、物流・在庫管理システム等のRFIDタグ及びその周辺機器、郵送物の封入封緘を行うメールインサーティングシステム(封入封緘機)など、最新エレクトロニクス技術応用システムの機器の設計・構築及び設置・販売等をオフィスビル・データセンター・工場などの企業関連施設に向けて行っている。

またグループ会社のマイティキューブは、RFID技術の国内リーディングカンパニーとして、RFIDタグ(非接触ICチップ)及び周辺機器(リーダライタ)のシステム開発、販売等を行う。

(3) グローバル(同24.4%)
主に高度防火システムの設計・構築及び機器の設置・販売を、発電プラント、天然ガス・石油化学工業プラントなどに向けて行っている。

Takachiho Fire,Security & Services(Thailand)Ltd.は、タイにおいて、商品監視、映像監視等のセキュリティに関するコンサルティング、システム設計及び商品監視システム・入退室管理システム・監視カメラ・防火システム等の販売を行う。Guardfire Limited及びGuardfire Singapore Pte.Ltd.は、東南アジア地域において、高度防火システムの設計、販売を行う。

(4) サービス&サポート(同17.6%)
システムセグメントで取扱う商品の保守サービス、及び「機器・クラウドサービス・運用管理」が一体となったMSP※等のクラウドサービスを行っている。また、トラブルへの迅速な対応によって顧客満足度向上を図るため、24時間365日対応サービスを用意し、全国300ヶ所のサービス拠点より提供している。

※Managed Service Provider:クラウド製品の保守運用・死活監視をサブスクリプション型で行う同社独自のサービス

3. デバイス事業
(1) 電子(デバイス事業売上高に占める比率50.8%)
アナログICを中心とする各種半導体や、シリコンマイクなどのセンサー、電子部品に関する販売及びコンサルティング(電子機器設計支援)を行っている。産業用エレクトロニクス機器、IP‐PBX(構内交換機)やスマートフォン等の情報通信機器など、広範な分野に使用されている。

TAKACHIHO KOHEKI(H.K.)LIMITED及び提凱貿易(上海)有限公司は、中国、東南アジア地域で、上記の商品を販売している。

(2) 産機(同49.2%)
スライドレール・ガススプリング・昇降システムなど安全性、利便性、快適性を向上する機構部品の販売及びコンサルティングを行っている。主に金融機関やコンビニエンスストアなどのATM等の開閉・引出・安全機構(スライドレール・ガススプリング・キー)、システムキッチンの引出・昇降機構(スライドレール・昇降システム)、コピー機の給紙機構(スライドレール・ダンパー)などに使用される。

TAKACHIHO KOHEKI(H.K.)LIMITED、提凱貿易(上海)有限公司及びTakachiho America,Inc.は、中国、東南アジア地域、米国で、上記の商品を販売。

ATM向けのスライドレールでは国内トップシェアを誇る。商社でありながら独自の設計やオリジナルプログラムによるシミュレーション解析などを実施し、顧客の要望に適合した商品開発に取り組んでいる。2015年からは米国法人を通じて、米国住宅設備市場などへ参入するなど、海外市場ではまだ普及期にある日本式ムーブメントソリューションの拡販を推進している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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