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KDDI障害、4日夕方に「ほぼ回復」宣言も「まだ圏外」との声。「利用しづらい」「繋がりにくい」との説明乱発に補償逃れを疑う見方も

2日未明から続いていた通信大手KDDI(au)の大規模な通信障害は、3日に復旧作業を完了したとの発表があったものの、4日になっても一部で音声通話が繋がりにくい状況が続くなど、ユーザーなどの間で混乱が続いている。

報道によると、通信障害は2日午前1時35分ごろに発生。「au」や格安ブランドの「UQモバイル」「povo」にくわえ、楽天モバイルなどKDDIの通信回線を利用する他社回線でも、通話やデータ通信がつながりにくい状態が続くなど、影響は最大約3915万回線に上ったとのこと。

結局、復旧作業には約40時間を要し、KDDIの高橋誠社長は3日午前、緊急の記者会見を開き「多大なご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます」と謝罪。さらに「今回の障害の内容をもう少し見た上で、補償について検討していく」とも述べ、損害を受けた利用者への補償を検討する考えも示している。

KDDIは4日午後4時に「ほぼ回復」宣言も…

auユーザーにとっては、まったくもって不便極まりない状況となったこの週末。全国各地のauショップには、クレーマー紛いのユーザーも多く殺到したといい、店員に「お前たちは人殺しか」と怒鳴り散らかしたり、椅子を投げつけるといった者もいた模様。挙句の果てには「auショップで対応不可と言われて…」と、ソフトバンクショップにクレームを付けに来るauユーザーもいたようで、相当のカオス状態だったようだ。

いっぽうで、復旧作業を完了したとKDDI側から発表があった後の週明け4日になっても、通常通りの通信ができるかのテストのため通信量を制限していることから、音声通話が利用しづらい状況は継続し、SNS上でも「#au繋がらない」「#au復旧してない」というワードが引き続きトレンド入り。

さらに今回の通信障害の影響により、一部の観測点からのデータが正常に受信できなくなっていた気象庁の地域気象観測システム「アメダス」も、4日になって多少の改善がみられたものの、一部の観測点では通信の不安定な状況が続いており、完全復旧のめどは立っていないとのこと。また、各地のバス会社によるバスロケーションシステムなども、KDDIの回線を使っているところが多く、そちらも週が明けても障害が続いているところが多いということで、影響はスマホユーザーのみならず広くに及んでいる。

そして、KDDIは4日午後4時時点の状況として、音声通話やデータ通信について全国的にほぼ回復したと発表したものの、SNS上には「まだ直ってない」「東京23区内なんだけどまだ圏外だぞ」「私は全くダメです 家族も全くダメです」との声が多数あがっており、混乱は依然として続いているようだ。

KDDIは「24時間以上続けて不通」を認めるのか

このように、多くのユーザーが約3日間に渡って不便を強いられている状況とあって、今後取沙汰されそうなのが、通話やデータ通信が使えなかった者に対して、何らかの金銭的な補償がなされるのか否かの問題。ちなみにKDDIの約款によれば、24時間以上続けて不通の場合、基本使用料の日割り額や、直前6か月間の1日当たりの平均通話料・データ通信料などを基に、24時間単位で損害額を算出して、契約者に支払うとしている。

ところが、同様の規約を設けているとされるNTTドコモが、2021年に全体で30時間近くに渡る通信障害を引き起こした際には、「全く利用できない状態」は2時間あまりに限られていたと主張し、結局のところ個人への補償などは実施されなかった。

そこで今回の件だが、KDDIの高橋社長は先述の通り「補償について検討していく」と発言してはいるものの、それと同時に「いま一律に補償するということは回答を持ち合わせていない」ともコメント。さらに、今回の通信障害の状況に関して同社は「利用しづらい状況」「繋がりにくい」との説明に終始しており、損害賠償の対象に当たる「全く利用できない状態」が24時間以上あったとは、明確に認めていない状況だ。

このように「復旧作業の完了」や「全国的にほぼ回復」などのアナウンスはなされるいっぽうで、実際には状況が良くならないユーザーが多いとあって、SNS上からは「補償逃れ」といった声も少なからずあがっているところ。実際に補償を行うとなれば、個人ユーザーだけでも3000万を超える回線数が対象となり、多額のコストは避けられず、その規模によっては株価にも影響が出る可能性もあるが、KDDIはそれでも補償を行うのか、それともNTTドコモ同様にすっとぼけるのか、その対応に注目が集まる。

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