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この先10年、インデックス投資は不遇の時代か。レイ・ダリオが備える2022年相場の大転換=花輪陽子

2021年は株式インデックスが大きく伸びましたが、今年は状況が変わってきます。2022年はインフレによる物価上昇に見舞われながら、歴史的な低金利が続き、預金や債権を保有している投資家には非常に厳しい環境となるでしょう。2022年はどんな投資法がよいかを考えます。(『花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』花輪陽子)

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※有料メルマガ『花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』2022年1月28日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:花輪陽子(はなわ ようこ)
外資系投資銀行を経てFPに。2015年からシンガポールに移住。ジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』(講談社+α新書)をインタビュー監修。『シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」「有吉ゼミ」などテレビ出演や講演経験も多数。

2021年は株式インデックスにとって最高、債券にとっては最悪の年だった

こんにちは。シンガポール在住、ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。2021年は株式インデックスにとっては最高の年でしたが、債券にとっては最悪の年となりました。

2021年にS&P500が30%弱のリターン、MSCI All-World Indexが20%弱のリターンを上げる中、バークレイズのグローバル総債券インデックス(68兆ドルのソブリンおよび社債の幅広いベンチマーク)は5%弱のマイナスのリターンでした。
※参考:Global bond markets on course for worst year since 1999 – Financial Times

主な理由は、2回におよぶ政府債務の大量発行によるものです。

2021年当初に投資家はパンデミックからの回復が持続的な成長とリフレを期待しました。秋には、中央銀行が金利上昇に伴う高水準のインフレに対応する準備をしていることを示唆したため、短期債券は打撃を受けました。

コロナ前はシンガポールの富裕層の間では金融債への投資が人気でした。物価も安定しており、金利もしっかりとあった時代だったからです。

しかし、現在は物価が急激に上昇し、金利も歴史的に低水準で、預金や債券を保有している投資家にとっては非常に厳しい環境です。

この先10年、インデックス投資でリターンを得るのは難しい?

2020年、レイ・ダリオのヘッジファンド「ブリッジウォーター」は最高のパフォーマンスを出しました。しかし、2021年はブリッジウォーターの2つのファンドは高いパフォーマンスを出したものの、インデックスに及びませんでした。
※参考:Bridgewater’s return to co-CEO model rekindles management concerns – Financial Times

しかし、レイ・ダリオほど危機に備えている投資家はいないとも言われています。他の人が気づかないマーケットに起こっていることに気づける洞察力もあると言われています。

ヘッジファンドは文字通り、暴落相場にもヘッジすることができ、リスクを最小限に抑える運用を行う場合が多いです。必ずしもリターンを最大に狙うわけではありません。2022年のボラティリティが高い相場ではアクティブに軍配が上がる可能性があります。

歴史的な低金利からエクイティリスクプレミアムが高くなる可能性はあるものの、この先10年間はインデックス投資をしても大きなリターンが得られなくなる可能性が高そうです。

(※筆者注:エクイティリスクプレミアムとは、株式への投資によって、高いリスクと引き換えに株主が期待する追加リターンのこと。例えば、TOPIXと日本国債のリターンの差として推計するなど)

Next: インデックス投資では稼げない?2022年の世界経済と市場の行方

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