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この先10年、インデックス投資は不遇の時代か。レイ・ダリオが備える2022年相場の大転換=花輪陽子

マーケットの歴史を100年などの長期間で俯瞰すると、急上昇の後には停滞時期があり、大幅な下落の後には急上昇があります。それでも超長期で見ると全体的には1つの上げ相場の中にあります。

例えば、2000から2010年は長い上昇相場の間の停滞時期でした。当時のことを覚えている人も多いかもしれません。

私は2000年の時に証券会社を就職活動していたので、毎日その日の日経平均や主要なマーケットの数字を手に書いて面接に挑んでいました。

2000年3月に日経平均は2万円を超えていました。しかし、2009年は8,000円でした。2007-2008年の1万8,000円からリーマン・ショックで真っ逆さまに落ちて2013年のアベノミクスまで回復をしなかったのです。

2000年に日経平均に投資をして、2009年に売却をしていたら、資産は半分になってしまっていたでしょう。

このような市場環境に陥ると、その期間内でリターンを上げることは可能なものの、タイミングの悪い時期に買い、売ってしまうと10年保有していても大きくマイナスになる場合も出てくるのです。

しかし、30年などもっと長期的なサイクルにかける場合は、10年などのベア市場を挟んでも、バイ・アンド・ホールドをしていればリターンを得られる可能性はあります。ベア市場は次の上げ相場の原動力となっている可能性もあるからです。

このように、複雑で難しい、プロの相場に入りつつある現在、個人投資家はどのような資産運用を心がければよいのでしょうか。

どうなる?2022年の世界経済と市場の行方

ゴールドマン・サックスの非常によいレポートを見つけたので翻訳しながら、要約と解説をしたいと思います。詳細はぜひ元記事をChromeなどで日本語に変換して読んでみて下さい。

次の10年間は、リターンが低く、強気市場よりもファットでフラットな市場環境になるだろう。

「ファット&フラット」市場とは、一定期間にわたってプラスの薄い総リターンがあるものの、大きな周期的な上げ相場の中断期間となる。1970-1980、2000-2010年などがこの期間にあたる。

特に3つの要因は、将来のインデックスリターンの低下を示している。

1. バリエーション(評価)が高い
世界の株式は世界のGDPに対して記録的な高評価に達している。評価の観点からは、今後10年間で、過去10年間よりも、株式およびその他の金融資産の絶対リターンが低下する可能性がある。

2. 金利は非常に低い
現在、名目金利(物価上昇率などを勘案して調整を行っていない表面上の金利)は歴史的な低水準にあります。

イングランド銀行が1314-2018の名目債券利回り、GDPおよび算術加重を出している。(図版11 Goldman Sachs)

3. 利益率が高い
特に金融危機後、テクノロジーの改善と、利益率が高く資本集約的なビジネスモデルに向けたインデックスの構成の変化(特に米国)によって説明できる。

総利益率は前回よりも安定し、全体として、インデックスリターンのよりフラットな環境を示していると予想される。

※出典:Global Strategy PaperThe Post-Pandemic Cycle: Part 1 – The New Alpha Bet

マクロの見通しを総合すると、パンデミック後のサイクルは、金融危機後のサイクルとは異なる可能性が高いとゴールドマン・サックスは主張しています。
※参考:What’s Ahead for Global Economies and Markets in 2022?

新年は大きな金融機関が1年間の見通しをウェブサイトなどにも挙げているので、チェックができます。海外金融機関の見通しについて、メルマガ内では詳細に解説しています。

Next: インデックスのリターンが低くなる中、投資家はどうすればよいのか

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