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金投資とどっちが魅力?意外に知られていないコイン投資のハードル=田中徹郎

一見似たように思われる金とコインの投資では、どのような違いがあるのでしょうか。今回は、それぞれの投資事情や難易度などについて詳しく解説します。(『一緒に歩もう!小富豪への道』田中徹郎)

プロフィール:田中徹郎(たなか てつろう)
株式会社銀座なみきFP事務所代表、ファイナンシャルプランナー、認定テクニカルアナリスト。1961年神戸生まれ。神戸大学経営学部卒業後、三洋電機入社。本社財務部勤務を経て、1990年ソニー入社。主にマーケティング畑を歩む。2004年に同社退社後、ソニー生命を経て独立。

同じ現物でも全然違う? 金を買うべきか、コインを買うべきか…

投資対象としてのコインと、金の違いとは

「金を買ったほうがいいのでしょうか、それともコインを買ったほうがいいのでしょうか」。これはお客様からよくいただく質問です。

コインも金も現物という点では同類ですので、多くの方が両者の違いをよく理解されていないのだと思います。コインのなかでも特に金貨は金でできていますので、金(Gold)の親せき程度に考えている方が多いように思います。

今回はそのような方のために、投資対象としてみた場合の金とコイン(特に金貨)の違いについて、説明させていただきたいと思います。

例えば私たちが300万円のおカネで投資するとしたら、金とコインどちらに投資すべきなのでしょう。まず価格変動という観点で両者を比べてみましょう。

金は値動きが小さく安定した資産だとお考えの方が多いのですが、決してそんなことはありません。金はその時々の需給で大きく値が動きます。例えば、2013年は金価格が大きく動いた年ですが、同年の最安値と最高値は以下のようにずいぶんと開きがあります。

・最安値(6/28):1オンス=1192ドル
・最高値(1/2):1オンス=1695ドル

上記だけをみれば株の価格変動率と大差ないようにすら見えてしまいます、2013年は値動きが大きな一年ではありましたが、全般的にみて金相場は決して安定しているわけではありません。

つまり安全ではあるが、決して安定はしていないということです。

ではコインのほうはどうでしょう。例えば金貨は一般的に90%程度の金と、残り10%程度の銀や銅などの合金です。このように材質的には大半が金で占められているのですが、例えば金貨が金相場と連動して動くわけではありません。なぜでしょうか。

イギリスで、1600年代以降造られた5ギニーと呼ばれる金貨を例にとって考えてみましょう。5ギニーには約38グラムの金が含まれています。

現在の金価格はグラムあたり税込み4800円ほどですので、金属としての5ギニーの価値は18万円ほどになります。

一方で5ギニーの現在の相場はいかほどかといいますと、もちろん状態や鋳造年にもよりますが、まあざっくりと300万円ほどだといってよいでしょう。

300万円の5ギニーのうち、金(Gold)としての価値が18万円だとすれば、残り282万円はいったいどこから来ているのでしょう。こたえは希少性です。

つまり簡単に言えば5ギニーの価格のうち、金属としての価値は18万円すなわち6%にすぎず、残りの94%は希少性から来ていることになるわけです。

さきほど見たように金の価格は結構大きく変動していますが、5ギニー全体に占める金の比率はわずか6%に過ぎません。

では残り94%の希少価値のほうはどのように動いているのでしょう。

コインの価値を動かす希少性は、なぜ変動しないのか

厳密に言えば、この希少価値部分も日々動いているのかもしれませんが、コインは株や債券など金融商品とは違って、交換市場で常に売買されているわけではありません。

ですから日々動いているかもしれないのですが、誰もそれを意識してはいないのです。

せいぜい世界のあちこちで開かれるオークションの落札価格をみて、大きな相場の流れがわかる程度に過ぎません。しかもファンドや機関投資家など、ペーパーアセットの世界で活躍するマネーは、コインの世界に入って来ることはありません。

いくつか理由がありますが、最大の理由は市場が小さすぎて、大規模なマネーを吸収することができないからだと思います。

ですから株や債券、FXなどと違って、値を下げたからといってパニック的に売る投資家もいなければ、逆に値を上げたからといって急いでカイを入れる投資家もいません。まあおっとりとしたもので、株や債券の市場と比べると、僕などはコインの世界は時間が止まっているようにすら見えます。

つまり94%の希少性をめがけて、売ったり買ったりする参加者はおらず、希少価値が大きく変動しているようには見えません。またコインは主に個人の趣味の世界であり、相続でもない限り、一度手に入れたコインを手放すことはありません。

銘柄入れ替えのため、あるコインを売ることはあっても、大概の場合、その売却資金で別のコインを買うことになります。

一方であいかわらず一定数の方がコインの世界に入ってこられます、最近では中国はじめ富裕になったアジアの方が、自国のコインを買うケースが増えてきました。

新興国の成長だけではなく、同地域における貧富の拡大もまた、コイン収集人口の増加の一因になっているように思います。

少し長くなりましたが、上記のような理由でコインは、金と違って値動きがおとなしく、なおかつ安定的に価格が上昇してきたといえるでしょう。

Next: 価値が動きにくいコイン、一方で売買する際の問題点とは

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