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日本は消費増税もキャッシュレス化も失敗する? 韓国「年間30万円還附」を模倣せよ=岩田昭男

政府は来年10月の消費増税10%の実施と同時に、キャッシュレス決済なら2%還元するという救済策も打ち出しました。これで本当に国民は納得するのでしょうか?(『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』岩田昭男)

※本記事は。『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』2018年11月15日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:岩田昭男(いわたあきお)
消費生活評論家。1952年生まれ。早稲田大学卒業。月刊誌記者などを経て独立。クレジットカード研究歴30年。電子マネー、デビットカード、共通ポイントなどにも詳しい。著書に「Suica一人勝ちの秘密」「信用力格差社会」「O2Oの衝撃」など。

日本の政策は中途半端。キャッシュレス決済率89.1%の韓国に学べ

消費増税とキャッシュレスがダブルで吹き荒れる

2019年10月からの消費増税10%が政府から正式に発表されました。また先月後半には、中小小売店でクレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレスで支払えば、2%のポイントが付いて増税分を相殺する救済策も発表されました。

さらには、中小小売店がクレジットカードを導入しやすいように手数料を3.25%まで引き下げるという情報も漏れてきました。中小小売店の場合、手数料は3~6%をとられますから、3.25%への一斉引き下げは負担が減ってかなり楽になります。

政府は消費税アップを機会に、懸案のキャッシュレス政策を一気に進めようと狙っているのです。

カード会社の反撃はじまる

しかし、この少々乱暴な政策にはカード会社が強く反発しています。

というのも、「2%のポイント付与」と「手数料引き下げ」の2点に関して、最終的にそのツケはカード会社に回ってくると見ているからです。

考えてみてください。2%のポイントを付けるといっても、カード会社にとっては大変な作業です。来年夏くらいまでには全国の加盟店で漏れなく、確実に2%のポイントをつける態勢を整える必要があります。

そのためには新たな投資をしなければなりません。これはかなりの負担になります。

システム投資と優待期間後の負担

しかも、2%のポイント優待期間は来年10月から1年間に限られるといわれています。

限定的ですから、システム改修したところで、すぐにそれをもとに戻さなければなりません(二重投資になる恐れもあるのです)。

また手数料の引き下げについても、自由競争が原則の社会なのに、突然に下げろと命令されても儲けが半減するわけですから、従えないのは当然でしょう。

キャッシュレス決済を導入する店舗側としても、手数料優待の期間が1年間に限定されていると知れば、すぐに手数料が倍増するとわかりますから、おいそれとは導入できなくなります。

それに対して政府は、手数料の引き下げを拒否するカード会社には、2%のポイント付与を認めないという厳しい措置も打ち出しました。

Next: 政府プランは「絵に書いた餅」。キャッシュレス先進国・韓国を見習うべき

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